サッカー女子のアジア・クラブ選手権決勝(10日、浦和駒場)の前日会見が9日にさいたま市内で行われ、WEリーグ三菱重工浦和と仁川現代(韓国)の両監督、選手が出席した。

 三菱重工浦和の楠瀬直木監督は「歴史的な一戦に関われることを本当に誇らしく、そして感謝している。いいサッカーを展開して、皆さんに喜んでいただければ」と大一番へ意気込んだ。首位に立つリーグ戦は12連勝中と絶好調。リーグ連覇に王手をかけているが、まずは目の前のタイトルを全力でつかみにいく。主将のMF柴田華絵は「男子がアジアで優勝した姿を私も見ている。優勝しないといけないチーム。優勝します、という気持ちで臨みたい」。ACLで過去3度の優勝経験がある男子に続くアジア制覇を見据えた。

 対する仁川現代は国内リーグ11連覇中の韓国の名門。元なでしこジャパンのMF田中陽子も在籍している。チームを代表して会見に臨んだ田中は「浦和のサポーターは応援が多い。そこは私が先に(チームに)話をして、逆に自分たちの力にできるように。負けないように自分たちのペースでプレーできるようにしたい」と日本での一戦に闘志を燃やした。隣に座った柴田は世代別代表時代のチームメートで「こうやって一緒にプレーできるのは心からうれしい。お互い駆け引きしながら楽しみたい」と再会を喜んだ。

 今大会は24〜25年シーズンに新設される女子アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のプレ大会として実施。昨年11月に1次リーグが行われた。今年3月にアジアサッカー連盟(AFC)が急きょ決勝の中止を発表したが、その後、関係各所が協議を重ねて再び開催が実現。楠瀬監督は「アジアの女子サッカーはこんなに凄いんだと証明し、次の道が開くきっかけになればいい」と開催の意義を強調した。