JR東日本は8日、訪日外国人向けチケッティングサービスの利便性を向上すると発表した。「Welcome Suica Mobile」アプリ、「JR EAST Rail PASS Search」をリリースするほか、「ジャパン・レール・パス」を窓口以外でも受け取れるよう変更する。

 「Welcome Suica Mobile」は、訪日外国人向けのSuica「Welcome Suica」のスマホアプリ版。2025年春のリリースを予定している。iOS端末用のみの提供で、対応言語は英語のみ。SF(チャージ残高)には、発行日から180日の有効期限を設定する。これまでは、窓口や券売機できっぷや「Welcome Suica」の購入、カードへのチャージが必要だったが、本アプリでは、スマホ上でカード発行やチャージが完結する。また、アプリでは、東日本エリアの観光情報や運行情報も提供する。このほか、2026年春には、訪日外国人向けのきっぷ発売サイト「JR-EAST Train Reservation」を、「Welcome Suica Mobile」と連携。新幹線や在来線特急列車にチケットレスで乗車できる環境を整備する。

 「JR EAST Rail PASS Search」は、 JR東日本が発売する訪日外国人向けの鉄道パスを、滞在中の移動目的や行程にあわせて案内するサービス。これまでは、鉄道パスの紹介ページから利用者が個々に合致するものを検討する必要があった。本サービスでは、移動日程や目的地などを入力することで、内容にあったパスを紹介するという。本サービスは、2024年夏の提供開始を予定する。

 「ジャパン・レール・パス」は、訪日外国人向けにJRグループ各社が発売する、JR全線の乗り放題パス。きっぷを受け取る際には、パスポートなどの目視確認のため窓口に並ぶ必要があり、特に窓口が混雑する時間帯では、待ち時間が課題となっていた。同社は、2026年春を目標に、成田空港、羽田空港、および都区内の主要駅に設置している指定席券売機にて、画像認識技術により書類を確認できる新システムを導入。窓口に並ぶことなく、きっぷを発券できる体制を整える。