ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズは高校卒業とともにプロ入りし、21年間にわたってNBAの最前線で戦い続けてきた。そんな“キング”を支えてきた1人が、旧友のリッチ・ポール。42歳の敏腕代理人が、殿堂入り選手のアレン・アイバーソンに思いを馳せている。

 セント・ビンセント・セントメリー高校から2003年のドラフト全体1位指名を受けNBA入りし、クリーブランド・キャバリアーズ、マイアミ・ヒート、レイカーズの3チームでプレーしてきたレブロン。キャリア21年間で歴代6位の通算1492試合に出場し、NBA記録の4万474得点、同4位の1万1009アシスト、リーグ優勝4回、シーズンMVP4回、史上最多のオールスター選出20回、NBA75周年記念チーム選出など輝かしい実績を残し、将来の殿堂入りが確実視されている。
  レブロンがこれまで稼いだ年俸総額は推定4億3500万ドル(約666億円)と“キング”の異名にふさわしいもの。チームとの交渉を担当してきたのが、高校時代からの付き合いであるポールだ。レブロンのほか、アンソニー・デイビス(レイカーズ)やドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)もクライアントに抱える敏腕代理人は『SHOWTIME Basketball』の人気ポッドキャスト番組『All The Smoke』に出演した際、代理人を務めてみたかった選手にアイバーソンの名前を挙げた。

「私にとってのAI(アイバーソン)は、彼の存在がカルチャーだと理解する以前から特別な存在だった。もし、特定のバスケットボール選手のビジネスを正しい方法で管理できれば、今日の風景はかなり違って見えるだろう。

 誰もがマイク(マイケル・ジョーダン/元シカゴ・ブルズほか)のようになりたかった。マイクは自分のシグネチャーシューズやブランドを持っていたし、ありとあらゆるものを備えていた。しかし、AIもマイクのようだった。コーンロウ、プレーの才能、ノスタルジア…、想像し得るすべてを持っていた。ヒップホップカルチャーやバスケットボールカルチャーを築き上げた」 アイバーソンは“史上最も小さな得点王”と呼ばれた生粋のスコアリングマシン。大男たちに果敢に立ち向かっていくプレースタイルがファンの共感を呼んだだけでなく、ファッションでも革命をもたらし、NBA界にヒップホップ文化を浸透させた。

 年俸総額は1億5450万ドル(約236億円)だが、ド派手な私生活で金遣いも荒く、自己破産も経験。当時アイバーソンの舵取り役がいれば、さらにその価値は高まっていたとポールは考えているようだ。2021年には、アイバーソンの影響力の大きさをこのように語っている。
 「AIの“ポスト・マイケル・ジョーダン”のインパクトは他の追随を許さなかった。フィラデルフィア・セブンティシクサーズにドラフト1位で指名される前、AIをジョージタウン大から引き抜ければ、今なら10億ドル(約1530億円)のブランドを持っていただろう」

 時代の違いこそあれど、アイバーソンが今のリーグにいれば、レブロンらと肩を並べる価値を持っていたのは間違いないだろう。

構成●ダンクシュート編集部

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