2021年に誕生したサラブレッド7906頭の頂点が決まる。

 東京競馬場でクラシックの最高峰・日本ダービー(GⅠ、芝2400m)が、いよいよ明日26日に91回目を迎える。3歳馬のみが出走できる生涯で一度の特別な舞台。競馬に携わるすべてのホースマンの憧れであり、目標とされるレースには精鋭17頭が名を連ねた。
【動画】世代の頂点へ。日本ダービーに臨む精鋭17頭の参考レース

 注目は言わずもがな、クラシック第1弾の皐月賞(GⅠ、中山・芝2000m)を無敗の3連勝で制したジャスティンミラノ(牡3歳/栗東・友道康夫厩舎)だ。1分57秒1のコースレコードを叩き出し、最後の直線ではコスモキュランダ(牡3歳/美浦・加藤士津八厩舎)との接戦をクビ差で制した。過去7頭しか達成したことがない、皐月賞とダービーの「無敗での2冠制覇」に大きな期待がかかる。
  日本競馬最高峰のレースには、海外メディアも高い関心を示している。米競馬を中心に世界各国のあらゆる競馬情報を扱う専門サイト『Paulick Report』は「今週は日本を代表するレースである東京優駿(日本ダービー)の開催に注目が集まっている。無敗のジャスティンミラノが18頭(※メイショウタバルが24日に出走取消となったため、17頭立て)の頂点に立つ」との特別記事を配信。熱い視線を注いでいる。

 同記事ではジャスティンミラノ以外にも、注目馬を紹介。特に、07年のウオッカ以来となる牝馬のダービー制覇を狙うレガレイラ(美浦・木村哲也厩舎)、凱旋門賞馬の全弟であるシンエンペラー(牡3歳/栗東・矢作芳人厩舎)に高い評価を下している。 まず、スワーヴリチャード産駒のレガレイラは「皐月賞では1番人気に支持された唯一の牝馬だった。終いのスピードは素晴らしく、勝ち馬ジャスティンミラノから0.5秒差の6着に食い込んだ」と敗北を喫したとはいえ、前走の走りを評価。牡馬より2キロ軽い55キロの斤量を強調材料に、「レイデオロ(17年)で優勝したクリストフ・ルメール騎手がドバイでの落馬負傷から回復し、先週の優駿牝馬(オークス)を制している。いつものパートナーとのコンビに戻れば、クラシック制覇も夢ではない」と、17年ぶりとなる牝馬のダービーVに期待を込めた。

 もう一頭の注目馬であるシンエンペラーは、スマートフォン向けゲームアプリ『ウマ娘』で知られるサイバーエージェント社長の藤田晋氏が馬主を務めている。「フランス産馬のシンエンペラーがダービーを勝てば、外国産馬初の快挙となる。しかも彼は、20年の凱旋門賞馬ソットサスの弟にあたる」と、その良血を紹介。名門・矢作厩舎が送り出す世界的良血馬の走りに興味津々なようで、「ダービーに向けて、改善が期待されている。好成績を収めれば、ロンシャンへ照準が変わるかもしれない」と、全兄が制した凱旋門賞(仏GⅠ、ロンシャン・芝2400m)進出の可能性に興奮を隠せない。
  記事では他にレース展開を予想。「ダービーに出走する若駒のうち10頭は重賞レースで勝利しており、彼らが高い才能を持つサラブレッドであることを証明している。だが距離未経験のメンバーも多くいるため、サプライズも当然あり得る」と言及。「過去10年、1番人気馬は{2-3-2-3}と、3着以内が7回も入っているが、そのうち2回しか勝利していない」と1番人気馬の連対率50%、複勝率70%を挙げているが、勝率がわずか20%と低い点を指摘。人気薄を3着に置いた「3連単勝負」に色気を出している。

 はたして、今年の競馬の祭典は人気通りの決着となるのか。それとも――。数々のドラマを生み出してきた世代の頂上決戦は、26日の15時40分に発走する。

構成●THE DIGEST編集部

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