現地時間5月25日に行なわれたスコティッシュカップ決勝で、セルティックは宿敵レンジャーズを1-0で下し、2年連続通算42回目の優勝を果たした。

 プレミアシップ(リーグ)は3連覇を果たすも、リーグカップはキルマーノックに不覚を取って(0-1)16強止まりに終わったセルティックは、国内2冠を目指してハンプデンパークでの一戦に臨み、互いに長くスコアを動かせないまま試合は90分を過ぎたところで、パウロ・ベルナルドが放ったドリブルシュートを相手GKが弾いたところを、アダム・アイダが素早く詰めて先制。劇的な形で勝利を飾り、新たな勲章を手にした。

 この栄光の一戦のメンバーには、旗手怜央、古橋亨梧、前田大然の日本人3選手がスタメンに名を連ねたが、旗手は78分、古橋は62分に交代でベンチに退き、代わりに入ったベルナルドとアイダの2人が決勝ゴールを生み出すという、少しばかり皮肉な結末に。一方、前田は相変わらずの精力的なプレーを90分間維持していた。

 現地メディアの評価では、スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』が10点満点で旗手には「4」という単独最低点、古橋には「5」、そして前田には及第点の「6」を与え、英国公共放送『BBC』は「マット・オライリー、カラム・マクレガー、古橋といった、いつもの勝利の立役者たちはハンプデンでは静かだった」と伝えた。
  日刊紙『THE SCOTTISH Sun』は、「前半のセルティックの最大の脅威は前田で、彼はレンジャーズのキャプテン、ジェームズ・タバニアを何度も苦しめた」「キョウゴは試合を通してほとんどボールを受けられないまま、アイダと交代した」と、2人の日本人選手に言及している。

『THE SCOTSMAN』紙は、旗手と古橋に「4」の厳しい評価で、前者には「他のチームメイトと同様に、日本人MFはリズムを掴めず。前田への鋭いパスで攻撃の起点となった場面もあったが、試合に大きな華を添えることはできなかった。後半にベルナルドと交代したのは驚くべきことではない」、後者には「ハンプデンは通常、日本人選手にとって幸運の地だが、今日はそうではなかった。古橋はほとんど意味のあるボールを受けられず、稀に触れた際もすぐに封じ込められた」と、ネガティブな寸評が綴られた。

 対して前田には「6」を付与し、「俊足の日本人ウインガーは長い間、セルティックの最も危険なFWのように思われた。タバニアの裏に何度か入り込み、チームメイトは彼にパスを送り続けた。目に見えるような結果を出すことはできなかったが、最後まで全力でプレーした」と、こちらはポジティブな内容となっている。 続いて『The Herald』紙は、旗手と古橋に「5」、前田には「7」の高採点で、寸評は以下の通りである。

旗手:「前半で最も目立ったのは、彼が犯したファウルの数であり、後半もポジティブな影響を試合に与えることはほとんどなかった」

古橋:「前半、これまでのキャリアでは決めてきたようなチャンスでゴールを逃し、それ以降は誠実な努力を見せたものの、それ以外にはほとんど何も提供できず、試合開始から1時間が経ったところでアイダと交代した」

 前田:「いつものように、タバニアに様々な問題を引き起こした。最初の対決でSBを突破し、それ以降もその力を発揮し続けたが、それを最大限に活かすことはできなかった。守備でも精力的に動いた」
  最後に、セルティックの地元グラスゴーの総合メディア『Glasgow World』の採点は、旗手と古橋に「4」、前田に「6」で、こちらも寸評は前者2人に対して厳しいのは当然だが、前田についても賛辞だけでなく、ネガティブな指摘もなされている。

 旗手:「中盤のバトルに巻き込まれ、劣勢に立たされた。モハメド・ディオマンデとニコラ・ラスキンのフィジカルの強さに対処するのは難しかった。それでも、最終的には勝者になった」

 古橋:「前半はほとんどボールに触れられず、1時間経過の時点で交代。試合に影響を与えることはできなかった」

 前田:「序盤はタバニアに厳しい時間を過ごさせたが、その後の影響力は薄れた。それでも彼は走り続けた」

構成●THE DIGEST編集部

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