土壇場で2ゴール

CL準決勝2ndレグでバイエルンを相手に2-1の勝利を飾り、2戦合計スコア4-3でファイナル進出を果たしたレアル・マドリード。

この試合でヒーローとなったのがFWホセルだ。ホセルは81分にフェデリコ・バルベルデと交代で投入された。点を取らなければならない状況で投入されたベテランストライカーは、88分と90分+1分に2ゴールを奪う大活躍を見せた。どちらのゴールも点取り屋らしい動きから決めた。

今季17ゴールを挙げているホセルだが、ここまでのキャリアは順調とは言えず、苦労人だ。セルタでプロデビューを飾った同選手は2010-11シーズンからの2シーズン、レアルのBチームに在籍していたが、トップチームへの昇格は叶わず、2012年にホッフェンハイムに完全移籍。その後もブンデスリーガやプレミアリーグ、ラ・リーガのクラブへの移籍を繰り返し、昨夏にエスパニョールから念願のレアルにレンタル移籍を果たした。

カリム・ベンゼマが抜けた後の9番としてレアルでプレイするホセルは絶対的なストライカーとして常にスタメン出場しているわけではないが、起用された際には結果を残しており、英雄となったこの日の2ゴールもたゆまぬ努力から生まれた2ゴールだったと言える。

バイエルンOBであるオーウェン・ハーグリーブス氏は『TNT Sports』にて、「ホセルは今シーズン、ベンチからの出場でも素晴らしいプレイを見せている。彼がどこでプレイしていようと関係ない。それは本能なんだ。このゴールはレアル・マドリードを象徴している。彼らはゴールの瞬間を見逃さない」と語り、2ゴールを挙げたホセルを絶賛した。

32歳でスペイン代表に初めて選ばれた苦労人であるホセルの2ゴールはレアルを窮地から救った。頼りになるベテランストライカーがまさにヒーローとなった夜だった。