契約期間の違いで溝埋まらず

17日(現地時間)、バイエルン・ミュンヘンのトーマス・トゥヘル監督は定例記者会見の場で自身の去就について、「2月にクラブと交わした約束は有効だ。残留交渉はあったが、合意には至らなかった」と語り、今季限りで退団すると明言した。

トゥヘル監督の去就をめぐっては、新監督候補と目されていたシャビ・アロンソ監督(レヴァークーゼン)、ユリアン・ナーゲルスマン監督(ドイツ代表)、ラルフ・ラングニック監督(オーストリア代表)らの招聘に失敗したことで、退団を取りやめて来季も引き続きバイエルンで指揮を執る可能性が現地メディアでは取り沙汰されていた。

実際、トゥヘル監督も会見で語ったように、クラブの首脳陣はトゥヘル監督に残留を要請していたようだ。ドイツ紙『Bild』によると、UEFAチャンピオンズリーグ準決勝2ndレグでレアル・マドリードに敗れた後、首脳陣はトゥヘル監督の残留を選択肢の一つとして本格的に検討を開始し、15日に取締役のマックス・エバール氏、ヤン・クリスティアン・ドレーゼン氏、スポーツディレクターのクリストフ・フロイント氏とトゥヘル監督の代理人が残留に向けた交渉を行ったという。

この交渉が決裂した原因は、契約期間の違いにあったようだ。首脳陣が退団発表前までに結んでいた来年2025年6月末までの契約をそのまま履行するように求めたのに対して、トゥヘル監督の代理人は、残留するならば少なくとも2026年6月末までの新たな契約が必要であると主張。結局両者の溝は最後まで埋まらなかった。

このことについて、来年夏に改めて前述のシャビ・アロンソ監督や今季限りでリヴァプールを退団するユルゲン・クロップ監督の招聘に乗り出したいバイエルン首脳陣は、トゥヘル監督を当座をしのぐための¨つなぎ役¨としか見ていなかったことが破談を招いたのではないかと『Bild』は指摘している。

トゥヘル監督の残留も選択肢から消えて、果たしてバイエルンは誰に来季の指揮を託すのだろうか。