「優しく接していたら、成長できないと不安を持たれる」
「成長を願って厳しくしたら、パワハラと言われる」

ゆるくてもダメ、ブラックはもちろんダメな時代には、どのようなマネジメントが必要なのか。このたび、経営コンサルタントとして200社以上の経営者・マネジャーを支援した実績を持つ横山信弘氏が、部下を成長させつつ、良好な関係を保つ「ちょうどよいマネジメント」を解説した『若者に辞められると困るので、強く言えません:マネジャーの心の負担を減らす11のルール』を出版した。

本記事では、ある中堅商社の社長(40歳)のとった行動が「エイハラ(エイジハラスメント)」ではないかと取締役(58歳)から言われた事例について、その原因と背景を書籍の内容に沿って解説する。

区別と差別とひいきの違いとは?

年齢や世代によって差別的な言動をすることを「エイハラ(エイジハラスメント)」と呼ぶ。超高齢化社会になるにつれ、今後さらに注目されるハラスメントと呼べるだろう。

ところで、何でもかんでも「差別だ」「ハラスメントだ」と言ってはよくない。そこで、まずは、

・区別
・差別
・ひいき

の違いについて軽く触れておこう。

私がスペインへ行ったとき、入国審査で外国人とスペイン人とで分けられた。これは区別である。いっぽう、とあるスペインの食堂で注文をしようとしたところ定員さんに無視された。後から入ってきたアメリカ人やオランダ人には応対しても、私はずっとスルーされ続けた。これは差別だったように思う。