焦るな、慌てるなってことだと思う。

皆で同じ方向に走る感じになっちゃいけない。皆が同じほうに向かって、詰まって、大混乱に陥ってしまうようではいけない。大事なのは、皆が同じところに向かおうとする状況で自分がどれだけ冷静になれるか

――時代の流れに乗り過ぎないということですか。

真っ先に流れに乗る自信があるならそれでもいいかもしれない。それができるなら、最初の1人2人は集団の中から抜け出すこともできる。

でも、そうやって勝てる(抜け出せる)人は多くありません。それこそ、凡人には難しい。だから、早さの勝負をするのではなく、焦らないようにすることが何より大事なんです。

毎月「天才代」をもらえる人は極めて少ない

――本書の重要なポイントとして「プロ」「アマチュア」「天才」の区分があります。

前にも話したように、コンスタントにお金をもらえるならプロ。アマチュアというのは何でも好きなことをやっている人。本当にすごいのが天才。

ただし、その天才性に対して毎月「天才代」とでもいうようなお金をもらえる人は実は極めて少ない。一握りの人がものすごい高額をもらう世界ですが、もらい続けるのは難しい。もしも安定的に高額をもらえる天才がいるなら、その人は究極のプロともいえる。

そんなふうにちょっと曖昧なところもあるから、プロ・天才・アマチュアは実は完全に切り分けられるわけではありません。けれど、この区分があることで自分の位置とやるべきことを確認できる。だから、本書ではあえてこの3区分を強く打ち出しました。

プロと天才を分ける意味も込めて「天才の特徴」として挙げたのは、「やりたくないことはやらない」ということです。

やりたいことしかやらないけれど、それをとことんまでやる。ある意味では赤ちゃんや子どもと一緒です。幼児は我慢できない。おとなしく座っていられない。お腹が減ったらぐずる。やりたいだけやって片付けはしない。ただ、物心がつくとだんだん行儀よくなっていく。

そこで行儀よくならなかった一部の人が、天才のままいくわけです。