まず、労働時間でいえば、週55時間以上働いている場合、あるいは15時間以上働く日が週2回以上ある場合は気をつけたい。こういうケースでは、やる気があり不安もないのに、ある朝、突然起きられなくなるといったことが起こりやすい。

対して、睡眠がうまくいかない人の多くは、「考えすぎ」が背景にある。人間関係や環境に適応しようとあれこれ考えているうちに、悪いことばかりが頭に浮かんでしまう……といったケースだ。

考えすぎによる不眠とうつの関係について川村さんは、「思考によって過剰に神経細胞が働かされると、そのストレスで神経細胞は疲弊し、うつ状態に至りやすい」と話す。

では、五月病のうつ症状に気づくにはどうすればいいのだろう。川村さんは、次の2点に心当たりがあるかどうかを自覚することが重要だという。

「1つは、長時間考えすぎていないか、もう1つは、考えても答えの出ないことを考え続けていないか、に気づくことです」

仕事中だけでなくプライベートの時間も、同じことがグルグルと頭の中を回り、そのことばかり考え続けているのであれば、それはもう「長時間考えすぎ」といっていい。

また、答えの出ないこととは、「なぜ、あいつが栄転したのか」とか、「なぜ、この親の元に生まれたのだろう」といったことで、結局、これはいくら考えても答えが出ない。にもかかわらず、考えてしまっているのであれば、それは問題だ。

「実は、楽しい・楽しくないにかかわらず、山ほど頭を使うと、“幸せホルモン”のセロトニンやノルアドレナリンなど、モノアミンと呼ばれる神経伝達物質が減ってしまうのです。モノアミンが減ると、朝に元気が出ないと感じるようになります」(川村さん)

五月病を防ぐ7つの対処法

シグナル(考え方の問題)を感じたら、モノアミンを減らさないように努めることが、五月病の予防につながる。そのためにゴールデンウィークでやっておきたい「日光などの光を浴びる」「運動する」といった対処法を、川村さんは紹介する。

五月病

(※外部配信先では表を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)