イラン国防相が決裂を示唆。

国内で戦闘機を生産できるという結論に達する

 イラン国防省は2023年7月19日、ロシアから購入予定だったスホーイ製のSu-35戦闘機に関する契約が決裂したことを示唆しました。

 正式発表ではないものの、同国のモハマド・レザー・ガラエイ・アシュティアーニ国防相は、ロシアとのSu-35購入に関する契約の状況について現地報道陣に問われた際、「国内で戦闘機を生産できるという結論に達した」と当初と計画が変更したことを暗に認めたそうです。

 Su-35に関しては2023年1月にイランのタスニム通信で同国議員の発言として「近いうちにスホーイSu-35がロシアから24機到着する予定である」と報じられ、2023年3月末から4月の春先には引き渡しになるだろうと予想されていました。

 しかし、その後は目立った発表もなく、軍空軍司令官ハミド・バヘディ准将が「軍参謀本部はロシアからのSu-35戦闘機の調達に反対している」と発言したことが報じられたこともありました。理由としては、かねてから噂されていた通り、購入機はエジプトに納入される予定だった機体の流用であり、適切なメンテナンス、兵器システム、スペアパーツのサポートなしで売るつもりだった点が懸念材料になったようです。また、Su-35用のシミュレーターの購入をロシアから拒否されたという話もあります。

 イランは現在、「コウサル」という自国戦闘機を生産しており、アシュティアーニ国防相の発言通りのSu-35の穴を国内戦闘機で補うことは可能ですが、同機はアメリカのノースロップ(現:ノースロップ・グラマン)が開発したF-5戦闘機のコピー機ともいわれており、事実であれば60年以上前の航空機技術で作られた機体になります。