帝国データバンクは6日、「芸能プロダクション」の倒産発生状況について調査・分析を行い、2023年は芸能人やタレントのマネジメントなどを行う芸能プロダクションの倒産が12件発生したと発表した。前年の4件から3倍に増加したほか、過去5年間で最多となった。
昨年はVRアイドルグループ「えのぐ」などが所属していた岩本町芸能社(東京・千代田区)が廃業することを発表したほか、俳優の大東駿介(38) が所属していたA.L.C.Atlantis(同港区)など有名事務所が破産。今年もタレントの壇蜜(43)らが所属していたフィット(同渋谷区)が破産、女優の吉岡里帆(31)らが所属したエー・チーム(同港区)が休業を発表するなど、芸能プロの行き詰まりが表面化している。
帝国データバンクは、近年はテレビ局の制作費削減に伴う出演料の減少や番組の整理・終了といった状況に直面したほか、SNSの台頭でYouTuberやインフルエンサーとして活動する個人も増え、芸能プロが従来得意としてきた新人タレントの発掘なども難しくなっていると分析。こうした逆風の中で、所属タレントの独立、創業者の死去・体調不良といった社内事情が加わり、倒産や廃業に至る芸能プロが目立ったと結論付けた。