2度、驚いた。

 昨26日のオリックス戦に5−2で快勝した直後に突然、球団から発表された西武・松井稼頭央監督(48)の休養。まだ残り98試合の時点での決断に加え、後任の監督代行を11年ぶりの現場復帰となる渡辺久信GM(58)が務めるというのだ。

 西武OBの評論家、山崎裕之氏がこう言う。

「松井監督は就任1年目の昨年も借金12の5位に低迷し、今季もここまで15勝30敗でパの最下位に沈んでいる。チーム打率が12球団ワーストの貧打に直面しながら、接戦の好機で強行してチャンスを潰すなど、1点を取りにいく采配ができていない。休養も仕方がないと考えるが、ただしチームの低迷は松井監督の責任だけではありません。打線強化が課題とされながら、ドラフトや補強で効果的な手を打たず、外国人戦略も失敗続き。編成面に大きな問題があり、その責任者は言うまでもなく渡辺GMです。そのGMが結果的に監督に責任を押し付け、自らが後釜に座る。ファンの理解を得られるとは思えません。当然、チーム状態が上向かなければ、GM職も退く覚悟でしょうが……」

 監督就任1年目の2008年にチームをリーグ優勝&日本一に導いている渡辺GMは、13年以来の現場復帰。この日の会見で、「松井監督だけの責任ではない。私もチームを全体的に見る立場として、責任を感じています。プロ野球人生をかけていきたい」と前任者を庇いながら覚悟を示した渡辺GMだが、三顧の礼で招いたはずの松井監督との間には開幕前から隙間風が吹いていたという指摘もある。

「ソフトバンクにFA移籍した山川を巡って、意見が割れたと聞いています。残留を希望した松井監督に対し、渡辺GMと球団は強制性交の疑いで書類送検(不起訴)された事実を重く見て、残留交渉でも強くは引き留めなかった。補強を含めたチーム編成に不安を抱いていた松井監督からすれば、渡辺GMの方針は不満だったでしょう。コンプライアンスを重視する球団と現場を率いる監督の間に溝があったのは確かだと思う。6月21日には親会社の西武ホールディングスの株主総会を控えている。山川の不祥事があったうえに低迷するチームに手を打たなければ株主から突き上げを食うのは必至。松井監督の休養にはそんな事情もあったと見ています」(放送局関係者)

 松井監督は休養についての球団との話し合いに関して「そこはノーコメントでいいですか」と言葉を濁した。双方合意での決定かという質問にも「そこもノーコメントでいいですか」と明言を避けた。

 いずれにしろ、西武の切り札となるはずだった松井監督がまさかの形でユニホームを脱ぐことになった。

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 日刊ゲンダイは記事本文にも登場する山川を直撃。「古巣への不義理、SBファンの拒否反応をどう思っていますか?」という質問をぶつけた。そこで返ってきた「意外な答え」とは――。

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