前千葉県知事で俳優の森田健作がパーソナリティーを務めるFM NACK5とニッポン放送の番組に、歌手で女優の工藤夕貴(53)がゲスト出演することになりこのほど、東京・有楽町のスタジオで収録が行われた。
工藤は、父親で歌手の井沢八郎さんの大ヒット曲「あゝ上野駅」と、新たに書き上げられた同曲のアンサーソング「父さん見てますか」を両A面のシングルを発売したことを明かし、「28年ぶりに歌う曲が、演歌だとは夢にも思いませんでした。歌うことで、父の人生を追体験していきたい」と感慨深げに語っていた。
「あゝ上野駅」は2007年に69歳で亡くなった伊沢さんの1964年のヒット曲。集団就職で上野駅に着いた少年たちを題材にしたもので、累計売上枚数100万枚を突破した。
森田は、同曲について、現在でも親交の深い菅義偉前首相のエピソードを持ち出し「実は以前、この番組に出演していただいた時に、私は、この曲をプレゼントさせていただいたんです。その時に、この曲を聴きながら菅前首相は心なしか涙ぐんでいましたよ。工藤さんのお父様の曲は、今でも心に残っている作品なんですよね」と振り返ると、工藤は「父が私に残してくれた宝物です」と語っていた。
そんな工藤が「もう一度、歌の仕事ができないか」と周囲に相談したところ「いろいろなご縁があって日本歌手協会への入会を言われたんです。そこで理事長の合田(道人)理事長から、父の歌っていた『あゝ上野駅』を歌ってみたらいいのでないかとの提案があって…。でも、とても難しい歌でしたからね。気持ちの中では『私には…』と言う気持ちもあったのですが、合田理事長から背中を押してもらい、レッスンをしてきた」と振り返る。そんな中で持ち上がったのがCD発売の話だった。
新曲として上がってきた作品が、合田理事長の詞に、歌手の五木ひろしが作曲した「父さん見ていますか」だった。
「聴いたら思いっきり演歌だったのでビックリしました。私は13歳の時に歌手デビューしたのですが、当時はフォークとかポップスが全盛だったんです。それから40年が過ぎたのですが、まさか、その28年ぶりの新曲が演歌になるとは夢にも思っていませんでした」。
「父さん見ていますか」は、言うまでもなく「あゝ上野駅」のアンサーソングとして書き上げられた作品。「テレビの音楽番組で、たまたま五木さんの前で『あゝ上野駅』を歌ったことがあったんです。その時、五木さんが『この曲はお嬢さんが歌い継ぐべきだ』とおっしゃってくださり、その言葉がキッカケになって『あゝ上野駅』を歌うことになったのですが、今回、そのカップリング曲として五木さんが曲を書いて下さったんです」。
森田は「お父さまの功績をお嬢さんである工藤さんが受け継いでいくことは素晴らしいこと。やっぱりいい歌というのは残り続けていくものですよ。もちろん上野駅も変わってしまったけど、今回の工藤さんの歌う『あゝ上野駅』と『父さん見ていますか』は、昭和から平成、令和と変わっていく中で、いい企画だと思いますね」とエールを送っていた。
放送は、FM NACK5「青春もぎたて朝一番!」は5月19日、ニッポン放送「青春の勲章はくじけない心」は5月27日の予定。