世界100台限定のハイパーカー! 走行距離わずか950kmの2014年製パガーニ「ウアイラ」がオークションに登場 その驚きの落札価格とは

最高速度は370km/h、0−100km/h加速3.2秒のハイパーカー

 パガーニ「Huayra(ウアイラ)」はイタリアが世界に誇るハイパーカーの一台で、世界限定100台で生産された特別なモデルです。

1999年からパガーニにより生産されていた「ゾンダ」の後継モデルにあたり、その細部までにこだわったエンジニアリングは、世界から高く評価されています。

 ウアイラは2011年から2018年にかけて生産されました。

ボディはカーボンとチタンを配合した素材から造り上げられ、ボディ全体の軽量化を意識した、まさに自動車の限界を追求するハイパーカーらしい設計といえます。

 搭載するエンジンはメルセデスAMG製の6リッターV型12気筒ツインターボで、ウアイラのためだけに作られたビスポーク設計です。7速のギアボックスに組み合わされ、最大出力は730馬力を発揮します。

 加えて、軽量なボディはわずか1350kgということもあり、パワーウェイトレシオは驚きの1.85kg/psを誇ります。その結果が、0-100km/h加速は3.2秒、最高速度は370km/hというパフォーマンス値につながっています。

 ウアイラの凄さはパフォーマンスももちろんですが、そのボディ設計にもあります。メルセデス・ベンツ「300SL」のようなガルウィングドアを搭載し、フロントとリアのボンネットが上向きに開くことから、すべてを開いた状態のエクステリアの迫力は圧巻です。

 そんなハイパーカーらしさが詰め込まれたウアイラですが、今回発見された個体は2014年式の生産ナンバー71の個体です。

 エクステリアカラーはコーティングがされた剥き出しのカーボンで、車体の軽量化へのこだわりが感じられます。フロントからリアまで流れるオレンジのストライプが印象的です。

 装着するホイールは前輪が19インチ、後輪が20インチのアロイホイールで、ブラックに塗装され、全体的に威圧感のあるエクステリアに仕上がっています。ホイールの間からはオレンジにペイントされたブレンボ製のカーボンセラミックディスクブレーキが顔を出します。

落札価格はなんと4億円超え

 インテリアはまるで宇宙船のような雰囲気となっています。

 運転席はコックピットと呼べる印象で、ステアリングホイールや、センターコンソールにはまさに本物のスペースシャトルかのような、細かなスイッチがドライバーを囲みます。

米国オークションに登場した1994年製パガーニ「ウアイラ」のインテリア

 インテリアカラーはタンレザーのアプホルスタリーが目を惹きます。スポーティさと上質感を兼ね備えるこの車内空間は、一部カーボンが剥き出しになっている部分もあり、またも車体の軽量化への配慮とこだわりがうかがえるものとなっています。

 この個体の走行距離はわずか592マイル(約953km)と、新車時からほとんど走行していない状態です。

 生産された2014年から約10年間、コレクターの手の元で、長年大切に保管されてきたことがわかります。

 そのことから、この個体の状態はもちろん新車同様となっており、エンジンルームなどクルマの基幹部分に至っても、新車そのものの状態といっても過言ではありません。

 そんなウアイラは、その走行性能と希少性、そしてコレクターズアイテムとしての資産価値の高さから、なんと288万8888ドル(日本円で約4億2810万円)という驚きの落札価格で取引されました。

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 今回オークションで取引されたウアイラは、ゾンダの後継モデルとして登場しましたが、そんなウアイラの後継モデルにあたる「ウトピア」は、2022年に世界初公開され、99台の限定生産となります。