鳥羽水族館では4月から、ラッコ水槽の24時間生配信を始めました。「かわいい姿を24時間見られるなんて…!」と話題です。始めた狙いを鳥羽水族館に聞きました。

「一生見ちゃう」「無限ラッコ…」

三重県鳥羽市にある鳥羽水族館では、日本の水族館にいるラッコ3頭のうち、2頭(キラとメイ)を飼育しています。そんな鳥羽水族館が4月中旬、ラッコ水槽の24時間生配信を始めました。

鳥羽水族館の公式Xには、「24時間かわいいメイキラを見られて幸せ」「一生見ちゃう」「無限ラッコ…」「今日も眺めてる」「鳥羽水族館の神コンテンツ」といったコメントとともに、1.3万もの「いいね」が付きました。

水槽前が混雑しすぎて…

鳥羽水族館の広報担当者に聞きました。

「昨今のラッコ人気で、ラッコ水槽前がとても混雑する日が多く、水槽前以外の場所でもゆったりご覧いただけるよう準備しました」

また、キラは4月21日、メイは5月9日が誕生日。担当者は「当日は2頭にアイスケーキをプレゼントするイベントをするので、水族館以外の場所からも楽しんでもらいたいと思っています」と話します。

その狙い通り、通常300〜400人ほどの視聴者が、4月のキラの誕生日イベントでは3200人以上だったというデータも出たそうです。

国内では残り3頭に

実はラッコは、米アラスカや千島列島周辺の北太平洋沿岸に生息し、明治時代ごろまでは北海道にも多く分布していました。

しかし、毛皮を求めて乱獲されたり、タンカーの座礁事故で原油が流出して生息域が減ったりして、数が激減。国際取引が規制され、米国から日本への輸入は1998年に途絶えました。さらに、2000年には絶滅危惧種に分類されました。

多いときには全国の施設で120頭ほどが飼育されていたラッコですが、今、国内の水族館で見られるのは、鳥羽水族館のキラとメイ、福岡市東区の「マリンワールド海の中道」のリロの3頭だけとなってしまっています。

SNS上でも「こんな風に日本でもラッコを見られるのはあと何年だろう」「あと3頭と知って、いつかラッコを見に行きたかったので、この配信はありがたい」というコメントもありました。

担当者は「普段は別々に過ごしている2頭のラッコですが、時々じゃれあうような行動を見せるので、その瞬間を見られるとラッキーかもしれません。ほかにも、営業時間外の朝早くの活発な様子や、夜眠ったりしている姿も楽しんでください」と話しています。