<大相撲五月場所>◇十一日目◇22日◇東京・両国国技館

 幕下の一番で、3勝目を挙げた力士が土俵を去る際に土俵下で一礼。その一礼の美しさに「美しいお辞儀」「他と違う」と感嘆の声があがり、中には「一礼が徹底されている」など、ファンから愛された元人気大関の親方の教えを指摘する声も聞かれた。

【映像】他の力士とは違う「美しいお辞儀」

幕下四十九枚目・魁清城(浅香山)が幕下五十枚目・鳰の湖(山響)を押し出して3勝目を挙げた。

立ち合い、頭から低く当たった魁清城は、左を差すと一気に前に。電車道で押し出してみせた。小走りに所定の位置に戻った魁清城は、深々と90度の一礼をして勝ち名乗りを受けると、土俵下、土俵に向き直って再び90度のお辞儀。きっちり3秒ほど腰を折り、頭を下げると、胸を張って花道を下がっていった。敗れた鳰の湖は4敗目を喫した。

この魁清城の清々しい所作に「美しいお辞儀」「他と違う」「ぺっこり」などファンが注目。一方では「一礼が徹底されている」といった指摘も聞かれた。25歳の魁清城が所属する浅香山部屋には、同じ幕下力士で4つ年上の魁勝がいる。魁勝もまた、綺麗なお辞儀で相撲ファンに知られているのだ。

「一礼が徹底されている」とは、元大関・魁皇の浅香山親方の指導の事を指す。歴代2位の通算勝ち星1047勝(700敗)を誇り、大関在位65場所で524勝を挙げた言わずと知れた人気力士。幕内優勝5回の輝かしい実績がなせる指導の表れか。

“礼に始まり礼に終わる”と言われ、大相撲の基本として重要な礼儀作法。勝負が決した後の礼がおろそかにされることもあるなか、勝っても負けても変わらず、礼節を重んじる姿勢は見ていて気持ちが良い。残り1番を勝ち切って2場所連続の勝ち越しとすることができるか。魁清城の頑張りに注目したい。(ABEMA/大相撲チャンネル)