老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、1960年9月生まれの方からいただいた特別支給の老齢厚生年金についての質問です。

■Q:私は1960年9月生まれです。64歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができると思いますか? 繰り下げ受給できるのでしょうか?
「私は1960年9月生まれです。64歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取ることができますか? 特別支給の老齢厚生年金は、繰り下げ受給できるのでしょうか?」(かげまる)

■A:相談者が男性の場合、要件を満たしていれば64歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れます。ただ、特別支給の老齢厚生年金は繰り下げできません
昭和60年に年金制度の法律改正が行われ、年金受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられました。特別支給の老齢厚生年金制度は、この年金受給開始年齢を段階的にスムーズに引き上げることを目的として設けられました。

特別支給の老齢厚生年金は65歳になる前にもらえる年金になります。特別支給の老齢厚生年金をもらえる人は、男性・女性ごとに生年月日や、厚生年金加入期間など一定の要件を満たした人になります。

相談者が男性で1960年9月生まれですと64歳から、女性の場合は62歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れますが、そもそも特別支給の老齢厚生年金は、繰り下げ受給できません。

注意しておきたいのは、年金には時効があるということです。年金を受ける権利は権利が発生してから5年を経過したときは、時効によって消滅します。特別支給の老齢厚生年金の受給権が64歳からある場合は、5年を経過する前に請求手続きをしましょう。

監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

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