「工芸品には興味ないのかなと思っていたんですが……」

 米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手が8日(日本時間9日)、手元に届いた故郷・岩手の逸品に感謝を述べた。自身のインスタグラムのストーリー機能を使って写真を公開したのは、ドジャースのチームカラーに近い深いブルーの南部鉄器。大谷の故郷と同じ奥州市にある株式会社「及富」が製造販売している逸品だ。同社はあまりの反響に「電話が鳴りやまない」と驚いている。

 大谷がインスタグラムを更新したのは、この日のマーリンズ戦が終わったタイミング。日本時間ではお昼休みが終わろうとする頃だった。同社で広報を担当する菊地海人さんは「何が起きたのか?という感じで、方々から連絡が来まして……。メディアと個人の問い合わせで、電話が鳴りやまないような状況です」と反響の大きさを口にする。

 インスタグラムで公開されたのは、同社が製造販売する「鉄瓶 みやび 青 1リットル」の写真と「ありがとうございます」というメッセージだ。末広がりを意味する「八」角形が特徴で、青と白の夫婦湯呑も添えられていた。同社が贈ったわけではなく、大谷の手元にあるのはまさに寝耳に水だったという。

「野球一筋の方という印象で、工芸品には興味ないのかなと思っていたんですが……」という菊地さんも、大谷の“郷土愛”にはうならされた。「ご結婚もされて、こうして故郷の製品も使ってくださる。いつも応援していますが、こちらが逆に勇気をもらっていますよ。日本を代表するような方の手元にあるのは本当にうれしい」。

 近年は伝統的な鉄瓶への評価が高まり、海外への売り込みも積極的に図っているところ。岩手が生んだスーパースターからの思わぬアシストに感謝しきりだった。

(THE ANSWER編集部)