5月25日、2024年MotoGP第6戦カタルーニャGPのスプリントレースがバルセロナ-カタルーニャ・サーキットで行われ、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が劇的な優勝を飾った。

 午前中に行われた予選Q2では、アレイシ・エスパルガロがポールポジションを獲得した。2番手はフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)。そして、当初、3番手はブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)とされていたが、イエローフラッグによりキャンセルされたラウル・フェルナンデス(トラックハウス・レーシング)のタイムが有効とされ、ラウル・フェルナンデスが3番手となった。

 スプリントレースは気温24度、路面温度45度のドライコンディションで行われた。ホールショットを奪ったのは2番手スタートのバニャイア、そして2番手にはペドロ・アコスタ(レッドブルGASGASテック3)が続く。ポールポジションスタートのアレイシ・エスパルガロは5番手に後退。13番手スタートのマルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)は8番手に浮上していた。

 ルーキーのアコスタは、2周目の1コーナーのブレーキングでバニャイアをオーバーテイクして、トップに浮上する。しかしバニャイアがすぐにトップを奪還。3番手のラウル・フェルナンデスもふたりにぴたりとつけて様子を窺う、緊迫したトップ争いが続いた。

 3周目の1コーナーでは再びアコスタがトップに立つ。ここまでは前の周と同じ展開だったが、3番手のラウル・フェルナンデスがバニャイアをパスしさらにアコスタにも襲い掛かった。やや接触しながらアコスタのインサイドにマシンをねじこんだラウル・フェルナンデスは、トップ浮上に成功する。接触によってアコスタは後退するも、すぐに3番手にポジションを上げた。

 4周目、トップはラウル・フェルナンデス、2番手にはアコスタが浮上し、3番手にビンダー、4番手にバニャイアが続く状況である。エスパルガロは5番手、現在のチャンピオンシップのランキングトップであるホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)は6番手を走行する。

 ラウル・フェルナンデスはファステストラップを叩き出しながら、後方を引き離していく。5周目に入ったところで、ラウル・フェルナンデスと2番手のアコスタとの差0.8秒に開いていた。

 独走態勢を築きつつあったラウル・フェルナンデスだが、5周目の10コーナーでスリップダウン。惜しくもリタイアとなった。代わってトップに立ったのはビンダーで、ビンダーとアコスタによる、KTM/GASGAS勢同士のトップ争いとなった。ただ、いまだレース展開は隊列の状況で、トップふたりの後ろには、3番手のバニャイアが続いていた。

 7周目、トップのビンダーが5コーナーでクラッシュを喫する。またしてもトップを走っていたライダーが転倒の餌食となった。こうしてトップに立ったのは、バニャイアである。2番手にアコスタ、3番手にアレイシ・エスパルガロ。そして、4番手に続くのがマルク・マルケスだった。

 最終ラップ、3番手のアコスタに、4番手のマルク・マルケスが勝負を仕掛けた。1コーナー進入の激しいブレーキング。マルク・マルケスは見事なブレーキングで、アコスタを抜き去った。

 さらに、トップを走っていたバニャイアがまさかの転倒を喫する。このときバニャイアは、2番手だったアレイシ・エスパルガロに対して0.5秒以上のアドバンテージを築いている状況だったのだが、5コーナーでのクラッシュによりリタイアとなった。

 この結果、アレイシ・エスパルガロがトップでチェッカーを受けた。2023年のカタルーニャGPに続く、2年連続、同地でのスプリントレース優勝である。2位は最終ラップに観測のオーバーテイクを見せたマルク・マルケス。3位は、終始、トップ3圏内で戦ったアコスタが獲得した。

 4位はマルティン。5位にはエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)が続いている。

 日本メーカー勢としては、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)の10位が最上位。中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)は13位だった。