5月26日、2024年MotoGP第6戦カタルーニャGP MotoGPクラスの決勝がスペインのカタロニア・サーキットで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPのファビオ・クアルタラロは9位、アレックス・リンスは20位で終えている。

 土曜日のスプリントレースに引き続き、気温26度、路面温度47度と厳しい暑さのなかで行われた決勝。ここではクアルタラロのレース運びが光った。

 17番グリッドからのスタートとなったクアルタラロは絶妙な位置取りで混戦をくぐり抜け、オープニングラップを終えた時点で13番手まで浮上。終盤、タイムに苦しむミゲール・オリベイラ(トラックハウス・レーシング)を追い詰めたところ、後ろから来るマルコ・ベゼッチ(プルタミナ・エンデューロVR46・MotoGPチーム)にポジションを奪われたクアルタラロだったが、この局面を冷静に対処。好機を見定め、最終ラップでベゼッチとオリベイラの両方をパスして10番手でチェッカーを受けた。

 レース後、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)がタイムペナルティで大きく後退したため、最終的にクアルタラロはシングルフィニッシュとなる9位を獲得した。

 一方で苦戦したのがリンス。8番グリッドという好位置からのスタートとなったリンスだが、オープニングラップの混戦のあおりを受けて最後尾まで転落。必死の走りで一時はポイント獲得圏内の15位まで追い上げたが、ホイールスピンの影響で徐々にペースが厳しくなる。

 レース中盤、一度は抜いたはずのライダーとラップタイムが逆転し、レース残り7周を迎えると後ろから次々とかわされ、最終的にトップから1分03秒428差の20位でレースを終えた。

 次戦イタリアGPの舞台は、ヤマハが開発テストを行ったばかりのムジェロ・サーキット。情報量の強みを生かして次こそはダブルポイントを獲得できるか期待がかかる。

■ファビオ・クアルタラロ(決勝:9位)
「とてもいい結果だと思う。しかも前方での転倒もそれほど多くなかったので、僕としては、非常にいいレースができたのだと考えている。タイム的にもトップ5に5秒以内に近づいたことをポジティブにとらえているし、フィーリングも正直なところ、予想よりも良かった。課題は理解しているし、今まさにそこに取り組んでいるところだ。その成果も含め、今日はこのように素晴らしいレースができたと思っている」

「最後の数ラップはベゼッチとオリベイラが目の前でバトルしていた。1コーナー進入のブレーキングは難しく、2台の接近ぶりから見ても“ふたりは外側へはらむ”と判断し、早めにブレーキをかけてコーナースピードを維持し、2台を抜いたんだ。そのまま最後までポジションをキープすることもできたので、良い判断だったし、いいレースができたと思っている。僕たちは一歩一歩、前進している。ル・マンもペースは良かったし、ここでも素晴らしかった。次のムジェロと、そのあとのバレンシアでのプライベートテストで、さらに数ステップの前進を目指す。改善を実感し、トンネルの出口に光が見えているような気がしているよ」

■アレックス・リンス(決勝:20位)
「非常にタフなレースだった。すべては、あのスタートで始まった。8番手からの飛び出しは悪くなかったが、(ホルヘ・)マルティンに近づき過ぎてしまったためロングラップペナルティのエリアへ出るしかなかった。それで最後尾まで後退してしまったんだ。いくつかポジションを挽回することと、タイヤ温存のためできるだけスムーズな走りを目指したが、すべては予想とは少し違う方向へ進んでいった」

「マシンとタイヤについては、タイヤのスピンが非常に激しく、今までに経験したことがないものだった。だからまずは分析し、来週のムジェロに照準を合わせていきたい」