NTTドコモとJR東日本は今年2月13日から、ドコモが提供するAndroid版「d払い」アプリとJR東日本が運営する「モバイルSuica」の連携を開始し、「d払い」アプリからSuicaの新規発行の申し込みやチャージ、利用履歴の確認が可能になった。すでに楽天ペイ(iPhone版・Android版)、au PAYのAndroid版でも提供していた機能であり、d払いがようやく追いついた格好だ。こうした機能面のアップデートを知らず、「モバイルSuica(Apple PayのSuicaを含む)」はクレジットカードからしかチャージできないと思い込んでいる人も多いと思われるため、今回は現金チャージ以外のチャージ方法をOSごとに紹介しよう。

●Androidスマホは多彩なチャージ方法から選べる


 「モバイルSuica」が利用可能なAndroidスマートフォン(スマホ)は、クレジットカード(「モバイルSuica」アプリ)、Google Pay、「楽天ペイ」アプリ、「au PAY」アプリ、「d払い」アプリからチャージできる。
 d払いの場合、「d払い」アプリからSuicaにd払い残高/dカード/電話料金合算払いでチャージでき、特典としてチャージ金額の0.5%(200円につき1ポイント)相当のdポイントが進呈される。dポイント(通常ポイント/期間・用途限定ポイント)も利用可能で、JR東日本グループの共通ポイント「JRE POINT」と同様、1ポイント1円としてSuicaの残高にチャージできる。
 「楽天ペイ」アプリの場合は、楽天ポイント(通常ポイント)または楽天カードからチャージできる。楽天カードからのチャージ時のポイント進呈率は0.5%。
 これに対して、「au PAY」アプリの場合、au PAY残高からチャージのみとなり、200円につきPontaポイント1ポイントがたまる。さらに、保有するPontaポイントをau PAY 残高にチャージした後にSuicaにチャージすれば実質負担(現金相当の支払い)はゼロだ。
 Google Payと「モバイルSuica」アプリでチャージした場合、クレジット/デビット/プリペイドカードのポイント進呈ルールに基づき、所定のレートでポイントがもらえる。JR東日本のクレジットカード「ビューカード」なら常時1.5%還元だ。

●iPhoneはチャージ方法が限定的 1円単位のApple Payからのチャージが便利


 「モバイルSuica」が利用可能なiPhone/Apple Watchは、クレジットカード(「モバイルSuica」アプリ)、Apple Payのほか、「楽天ペイ」アプリからチャージできる。「au PAY」アプリ、「d払い」アプリは非対応で、「楽天ペイ」アプリからは、楽天ポイント(通常ポイント)/楽天カードから連携済みの「モバイルSuica」へのチャージのみとなる。Apple Payでは1円単位、「モバイルSuica」アプリからは最小500円から以降1000円単位でクレジットカードまたはApple Payに登録したカードからチャージ可能で、金額設定の自由度の高いApple Payからのチャージがおすすめだ。
 Apple Payと「モバイルSuica」アプリは、チャージするクレジット/デビット/プリペイドカードのポイント進呈ルールに基づき、ポイントがもらえる。ただし、年々、「モバイルSuica」へのチャージをポイント付与の対象外とするクレジットカードが増えているので注意が必要だ。
 決済アプリと共通ポイントの組み合わせは、au PAY-Pontaポイント、楽天ペイ-楽天ポイント、d払い-dポイント、Suica-JRE POINTとなる。それぞれ決済サービスと共通ポイントは連携しており、ビューカード保有者は、「JRE POINT」アプリから、最小1ポイントから1ポイント単位でモバイルSuicaにチャージできるJRE POINTを優先してためるとお得だ。
 ビューカードを保有していない人でも、Androidスマホユーザーはdポイント(通常ポイント/期間・用途限定ポイント)やPontaポイント、iPhoneユーザーは楽天ポイント(通常ポイント)を優先してため、それぞれスマホアプリ経由でモバイルSuicaにチャージすると、ポイントチャージ分は実質負担がゼロとなり、お得度に差はない。
 ポイントからのチャージが可能なモバイルSuicaは、おおむねどの経済圏のユーザーであってもお得だ。まだ使っていない人はぜひ使い始めよう。