青空の下で桜が舞い、ハナモモが踊った14日、愛知県豊田市の「野原川観光センター」の放流ニジマス釣り場がオープンした。手軽に渓流釣りの雰囲気が味わえることで人気の場所だ。夏日となった初日は家族連れらが20センチ級を釣り上げ、バーベキューも楽しんだ。 (東條敏明)

 同センターの釣り場は野原川がメインで、家族釣り場は支流の奥山川にある。奥山川は川幅が狭くて浅く、初心者にも釣りやすい場所。家族水入らずでのんびり釣れる。所々に広場や駐車スペースも設けてある。U字溝も設置し、これを利用してのバーベキューが手軽にできるのがうれしい。

 家族釣り場の中流、車横付けポイントで釣っていたのは愛知県東海市からの村井さん一家3人。20センチ級を4匹ほどキープしていた。しばらく見学していると、長女のなな子さん(16)が1匹掛けた! しかし、あわてて足を滑らせ川にドボン。腰までつかって、「キャー」と悲鳴をあげたが、竿は放さない。しっかりニジマスを上げ、ズボンをびしょぬれにさせながらも笑顔を見せたところで写真をパチリ。村井夫妻も大笑い。「シャッターチャンスだったね」と和宏さん(52)。

 一家は毎年、この時期に来ているという。「山の澄み切った空気感が最高。大自然が大好きだから」と和宏さん。なな子さんも「冷たいけど平気。釣れてうれしい、面白い!」と屈託がなかった。あとで水着に着替えて石の間を探って隠れている魚を見つけるらしい。野性味豊かなお嬢さんだった。この後、バーベキューを楽しむという。「嫁とどっちがノンアルで我慢するかを決めるのが大変で…」と、愛犬を胸に抱え、デッキチェアに座って和宏さん。すてきなムードが漂っていた。

 一般的な仕掛けは渓流竿4・5メートル、道糸ナイロン0・6号4メートル、ハリス0・4号30センチ、アマゴ針6号。オモリは針上20センチに2Bを1個。餌はイクラ1〜2粒刺し。食い渋った時のためにブドウ虫もあるといい。餌を水流に乗せて、底をこするように流すのがコツ。竿先にブルッとかコツッとかアタリがあるので、素早く竿を立て、合わせて針掛かりさせよう。

 ☆釣行メモ

 交通 マイカーは東海環状道・豊田松平ICから国道301、473号で30分余り。名古屋市内からは約1時間。

 入漁料など 1人1キロ放流で3000円(入場料含む)。釣り放題。入場料(中学生以上で入漁券のない人)500円。貸し竹竿1本50円、仕掛けセット150円、イクラ1袋300円。BBQ用の炭や割木、金網の販売、BBQ材料の準備もある。要予約。

 (問)野原川観光センター=(電)0565(90)3414。12月10日まで無休だが、臨時休業あり。