◇番記者が見た

◇26日(日本時間27日) ブルージェイズ2―12ドジャース(トロント)

 ドジャースの大谷翔平選手が「2番・指名打者」で出場し、4打数1安打1打点1本塁打1四球。1回1死からの第1打席で今季7号を放ち、ロバーツ監督が持つ「日本生まれの球団最多本塁打」に並んだ。

 大谷はベースを1周すると、出迎えたロバーツ監督に「並んだぞ」と声をかけた。2人が続けてきた、珍記録の軽妙な“かけ合い”。この監督との何げない冗談や、やりとりが大谷を楽な気持ちにさせる。

 ドジャース、そして大谷翔平に暗い影を落とした元通訳の水原一平容疑者の違法賭博問題。大谷選手の銀行口座から24億5000万円以上を不正に送金したとして、銀行詐欺の容疑で米司法当局から訴追された。

 大谷はこの問題で、チームに影響を与えることが心苦しかったようだ。7号を打ったこの日の試合後、ロバーツ監督との関係について少し胸の内を明かした。

 「最初の1カ月が1カ月だっただけに、僕からしたら、(監督に)あまり気にしないでほしいというか、むしろ笑いに変えるぐらいのコミュニケーションというか…。そこをグラウンドに持ち込んでほしくないと思っているし、そこはそこで自分で処理すればいいだけ。チームメートにも普通に冗談にいい合える雰囲気が僕にとって楽かなと思う」

 チームは今季初の5連勝で波に乗ってきた。大谷も、チームメートも野球に集中できているからこそ強さを発揮できている。大谷が待ち望んでいる普通の環境が戻りつつあることが何よりうれしい。(阿部太郎)