F1 第6戦 マイアミGP スプリント&予選 4日 マイアミオートドローム(5・412キロ×19周)

ペン=ルイス・バスコンセロス

 前戦の中国GPで苦戦したビザ・キャッシュアップRBの角田裕毅(23)が、米国で再び勢いを取り戻した。スプリントで15番グリッドから8位に挽回して1ポイントを稼ぐと、続く予選では今季4度目のQ3進出を果たして10番手を確保。チームに感謝しつつ、「良い仕事ができた」と手応えを明かした。レッドブルの王者マックス・フェルスタッペン(26)=オランダ=は、昨季からのスプリント連勝を4に伸ばしたうえ、昨季最終戦から7戦連続のポールポジションを決めた。

 角田が見事に復調した。19周のレースで8位までジャンプアップし、昨季サンパウロGP(6位)以来となるキャリア2度目のスプリント入賞。前日のスプリント予選で15番手に沈んでいただけに、「正直、予想していなかった。良い仕事をして、少しは取り戻すことができた」と喜んだ。

 わずか2台しか履かなかったソフトタイヤの選択が当たる。スタート直後の多重クラッシュで生じた混乱に乗じ、セーフティーカーが入る前に10番手に浮上。「1周目に順位を上げられたことが大きい」と振り返った。

 終盤には前方でバトルするハースのケビン・マグヌッセン、メルセデスのルイス・ハミルトンの隙を突く。14周目にハミルトン、15周目にマグヌッセンを相次いでかわし、8番手に。最終周にハミルトンに抜かれたが、ゴール後にハミルトンがタイム加算のペナルティーを受けたため、8位に繰り上がる。それでも、「最後はもう少しうまくディフェンスできた」と反省も忘れなかった。

 予選ではQ2を9番手で突破。2戦ぶりのQ3では、同じ中団勢から進んだハースのニコ・ヒュルケンベルグに競り負けて10番手となった。

 スプリント予選こそ失敗したものの、「今大会はフリー走行1回目から好感触だった」と自信満々。気温30度、路面温度50度の暑さにも「2週間前からサウナへ行って体を順応させた」と、事前の準備が実った。

 当地では2022年が予選9番手から12位、昨年は予選17番手から11位。23歳最後のレースとなる決勝を前に、「ハースが最大のライバルになると思う。彼らはストレートで速いから、スタートで抜きたい。もしできなかったら、タイヤマネジメントで上回って抜きたい」と、マイアミ初入賞へ強く意気込んだ。