ダートグレード競走の「第24回名古屋グランプリ」(Jpn2・4歳以上オープン・ダート2100メートル・1着賞金4000万円)は6日、名古屋競馬場で行われ、単勝1番人気の中央馬ノットゥルノが逃げて圧倒。2着の高知・ヒロイックテイルに8馬身差つけて2月佐賀記念以来、重賞3勝目を飾った。従来タイムを1秒5上回るコースレコードのおまけ付きだった。音無秀孝調教師(69)=栗東=は同レース初勝利、武豊騎手(55)=栗東・フリー=は2002年アッパレアッパレ以来の2勝目。人気を2分し、連覇を狙ったディクテオンは4着に追い上げるのがやっとだった。

 ノットゥルノは速くて、強かった。メンバー中、ただ1頭のJpnⅠ勝ち馬(22年ジャパンダートダービー)の力は、やはりだてではなかった。好スタートを決めて難なく主導権を握ると、軽快フットワークで初参戦の名古屋コースを気持ち良く駆け抜けた。折からの先行有利の馬場状況も味方に、スタートからゴールまでレースを完璧に支配。8馬身差をつける圧巻パフォーマンスで1番人気にしっかりと応えた。

 「思ったよりペースは速くなりましたが、気分良く走ってました。デビューから乗せてもらってますが、入れ込みはましになってます。充実してきてますね」。武豊は5歳を迎えたノットゥルノの確かな成長と力にエールを送った。

 圧勝劇を見届けた音無師は今後を明言した。「前走(川崎記念6着)はレース後の息の入りが早かったように走っていません。左回りは明らかに苦手、これからは使いません。春は帝王賞、秋はJBCクラシックに東京大賞典のJpnⅠ、GⅠです」。来年2月に定年を迎えるベテラントレーナーは、ノットゥルノの今後の目標を高らかに宣言した。