◇26日 J1第16節 名古屋1―1京都(豊田スタジアム)

 名古屋グランパスはMF椎橋慧也(26)の同点ゴールで京都と1―1で引き分けた。

 最悪の事態を回避したのは、椎橋の移籍後初得点だった。後半30分、FWユンカーからのパスを受けると「ミート重視で」右足シュート。相手に当たってゴール右に入った。「結果オーライ。ベストではないけどよかったな、という感じ」と悲劇を避けた一発を振り返った。

 5連敗中で後がない京都の気迫に、機先を制された。前半35分、京都のMF平戸が出した山なりのパスを、FW豊川にたたき込まれ先制被弾。「コミュニケーションが足りなかった。マークの受け渡しがうまくいかなかった」とDF河昌来。椎橋も「相手の勢いに僕らがやりたいようなこともできなかった中で失点して、苦しい展開だった」と振り返った。

 苦しんだ末のドローだが、椎橋のゴール以外にも収穫はあった。山岸とユンカーの両FWが途中出場し、交代で下がった永井、パトリックとは異なる形でチャンスを量産した。MF稲垣は「違ったキャラクターの選手が出てきて表現が変わるのはチームにとって大きい」と手応えを明かし、「チームとしてもどうやって最後崩しきる、点を決めきるのかは個人としてもチームとしても高めていかなければいけない」と結果につなげる道筋を語った。

 ここまでのホーム9戦のうち、勝利はわずか3戦。「ホームで勝たないと勢いが出ない」とFW永井は悔やみ、長谷川監督も「ここから勝ちきれるチームになっていかないと、本当の意味での優勝争いに加わっていけない」と語る。本拠地での歓声こそ、首位・町田との勝ち点差「9」を埋めるために必要だ。