◇26日 中日5―0ヤクルト(バンテリン)

 中日は26日、交流戦前最後の一戦となったヤクルト戦(バンテリンドームナゴヤ)を5―0で快勝した。今季初登板となった先発の仲地礼亜投手(23)が右脚を痛め1回限りで降板。立ち上がりのアクシデントにも、緊急登板した橋本侑樹投手(26)から6投手の継投で完封リレーを完成させた。打線も1回に2点を先制すると効果的に追加点を奪った。連勝で2カード連続の勝ち越しを決め4位浮上。いい流れで交流戦へ向かう。

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 突然のアクシデントに見舞われた竜を救ったのは、陰でブルペンを支えるリリーバーだった。2点を先制した直後、先発・仲地が緊急降板。異例の幕開けとなった試合は散発3安打の完封リレー。全ての流れをつくったのは、橋本だった。

 交代を知ったのは初回の守りが終わった直後。「いつも通り。大丈夫」と言い聞かせてざわめきが残るグラウンドへ飛び出した。先頭は村上。カウント2―2から外角スライダーでバットに空を切らせると、続くオスナは146キロ真っすぐ、山田はフォークで3者連続三振。球場を覆っていた異様な雰囲気を吹き飛ばした。3回も三者凡退に抑え、4回2死一、二塁となったところでお役御免。2イニング⅔を1安打無失点で5奪三振。ヤクルト打線を圧倒した。

 プロ5年目にして初の本拠地でのお立ち台。今季最多となる3万6294人の前でマイクを握り「めちゃくちゃ緊張しました。あんなにたくさんのファンの方が見てくれていたんですね」と笑顔を見せた。

 任される役割はロングリリーフ。序盤に先発が降板するときなどビハインドでの登板が多い。今季は19試合で2勝2ホールド。勝ちパターンに比べれば光を浴びる機会は少ないが「僕が崩れたら試合が終わる。必要なポジションだと思ってます」。勢いづく相手を止める難しさと流れを引き寄せることができる役割の重要性を理解する。

 昨季までと決別するために行動を起こしている。本拠地でのナイター開催の日。橋本は試合開始6時間前にグラウンドに姿を見せて、黙々と走り込み、ウエートトレーニングをしてから全体練習に臨む。「技術練習の時間を確保するため」。さらに大塚投手コーチに説かれたメンタルトレーニングも実践。鏡に映る自分に向けて「きょうも抑えられる」と語りかける。「今季はとにかくポジティブにいることを心掛けています」と話す。...