ボクシングの統括団体WBAが、13日付で世界4団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)=大橋=と同級1位ムロジョン・アフマダリエフ(29)=ウズベキスタン=に対し指名試合としての対戦を指令した。両陣営には7月14日まで30日間の交渉期間が与えられ、この間に合意しなかった場合は入札が行われる。

 アフマダリエフは元WBA・IBF統一同級王者でアマチュアでも2016年リオデジャネイロ五輪の銅メダルという実績を残す実力者。プロ通算12勝(9KO)1敗で、井上陣営もかねてスーパーバンタム級で戦いたい相手の1人として名を挙げていた。

 ただ、井上陣営はすでに9月に首都圏で計画している次戦ではWBO2位T・J・ドヘニー(アイルランド)を最有力候補として交渉を進めている。その後は9月の対戦を断ったIBF・WBO1位グッドマン(豪州)との指名試合も検討しており、アフマダリエフと対戦する時期は見通せない状況だった。

 大橋ジムの大橋秀行会長は、このようなケースを踏まえ「指名試合がバッティングするようなことはあり得る。そうなれば4本のベルトを持ち続けることにこだわらなくていい」とコメント。アフマダリエフ陣営とWBAの出方によってはベルトを手放すことも視野に入れている。