パリ・サンジェルマンに所属するキリアン・エムバペは今季終了後の移籍が濃厚だと多くのメディアが指摘している。英メディア『90MIN』は、今夏に開催されるパリ五輪にエムバペが参加できるように、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が移籍先のクラブに圧力をかけると発言したことを現地時間9日に報じた。

 エムバペの現行契約満了は24年の6月と言われており、パリでの時間は終わりを迎えようとしている。未だ移籍先のクラブは決定していないが、スペインのレアル・マドリードが本命だと多くのメディアが報じている状況だ。

 同メディアは、「移籍先の最有力候補であるマドリーは、エムバペのパリ五輪参加を拒否している」と述べており、自国開催にスター選手をどうしても出場させたいフランスのマクロン大統領が公の場で残したエムバペに関するコメントを紹介していた。

「私は、エムバペがパリ五輪に出場することを願っている。いずれにせよ、私は彼の将来のクラブに最大限のプレッシャーをかけている。しかし、まず、我々はEURO2024があり、彼らは7月14日の決勝戦に勝たなければならない(なお、決勝戦の予定日はフランス革命の記念日にあたる)」

 仮にフランス代表がEURO2024の決勝に進出した場合、エムバペはその10日後にはパリ五輪の試合に出場しなければならない。また、パリ五輪は8月9日まで行われる予定であり、仮に参加するとなるとエムバペはレアルのプレシーズンにほとんど参加できず新シーズンを迎えることになる。

 マドリー側は、一貫してパリ五輪への自クラブの選手の参加を拒んでいるが、エムバペはまだ正式な選手ではない。実際に、同選手はパリ五輪について、「常にオリンピックでプレーしたいと思っていたが、その願望は変わっていない」と、過去に参加に向けて前向きなコメントを残している。