◇国内男子◇〜全英への道〜ミズノオープン 最終日(26日)◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山)◇7461yd(パー72)◇晴れ(観衆2246人)

YouTubeの「堀川未来夢チャンネル」登録者数は、2024年5月26日時点で35万3000人。会場でも多くのギャラリーが堀川の組について歩く。その中には、SNSやYouTubeでファンになった人も多いかもしれない。「彼にはポテンシャルがあるので」と話したのは、同い年の今平周吾。その“ポテンシャル”って、何だろう。

人を引き付けるコンテンツ作りは、ひとつは反応の早さにある。初日に阿久津未来也と並んでトップに立つと、その日の夜遅くに2人で練習ラウンドを行った動画をアップ。「初日が終わって速攻編集してもらって、きのうの夜の内に出してもらいました」と、再生回数は翌日の第2ラウンドが終わった時点で6万回を超えていた。

動画のテーマも、ゴルフを軸にバラエティに富んでいる。試合後のルーティンやクラブの紹介、「奇数番手VS偶数番手」といったユニークなゴルフ対決も。直近で活躍した選手を呼んで、大会コースの注目ホールを解説しながら回ったり。「視聴者さんが気になるものは、自分が思っているのとギャップがあったりするので」と、新しいテーマは動画に寄せられるコメントを見て考えている。

もともと大学3年時にはプロゴルファーの道だけではなく、テレビ局への就職を考えたこともあった。「20代から40代くらいが、人生の中で一番体が動く時期。ゴルフだけではさみしいなっていう気持ちはあります」。そんな自覚があるから、トーナメント以外のことにも興味が湧くし、時間を割くことをいとわない。

試合会場を出れば、YouTubeに趣味のサウナ通いのほか、室内練習場の監修にもアンバサダーとして関わっている。今後はウェアのプロデュースやコーチ業と、興味があることを挙げたらきりがない。「朝から晩まで、ゴルフのことだけを考えているわけではないので」。そんな柔軟さが、今平の話す“ポテンシャル”なのかもしれない。

メジャー2勝を含む通算4勝。今後もツアーの中核を担う選手として、もちろん試合で活躍することが今の第一目標だ。「でも、周りの人のためになれば自分もうれしいし、ゴルフに興味を持つ人が増えていかないと意味がない。一回の人生で、色々な喜びがあってもいいと思う」。現役選手としてツアーに出ている今だからこそ、新しいことを始める意味がある。

とはいえ、ちょっと笑ってしまったのは堀川が今大会を3位で終えた後。優勝を決めた木下稜介のもとへウオーターシャワーの水を持って走りながら、しっかりカメラを回していたのはさすがだ。果たしてこの動画、堀川未来夢チャンネルに上がるのだろうか?(岡山県笠岡市/谷口愛純)