今年のマスターズチャンプ、スコッティ・シェフラーの勢いが止まらない。なぜこれほど強いのか、2024年6月4日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では佐渡充高、レックス倉本、タケ小山、内藤雄士の4人の識者を招いて徹底解説を行っている。その一部を「みんゴル」でも紹介しよう。

バーディ奪取率とボギー回避率が1位!

1996年生まれ、アメリカニュージャージー出身のスコッティ・シェフラー27歳。

左表を見ての通り、シェフラーの今年の成績は圧巻だ。その活躍ぶりを「冗談のようなことをやってのけている」と表現するのは解説者の佐渡充高だ。

今年、全米プロを含めて出場した試合での勝率は約3割、トップ10率9割。

下のスタッツ表をチェックすればわかりやすいが「シェフラーはバーディ奪取率1位で、かつボギー回避率1位でもあるんです」(佐渡)。

バーディを狙えばもちろんチャレンジングな場面も増えリスクも高くなるはずだが、この二律背反を打ち破っているのが今のシェフラーだ。「同例で言えば、2000年のタイガー・ウッズは飛距離1位で、フェアウェイキープ率も良かった」(同)。数字を見れば、全盛期のタイガーに迫っているとも言える。

シェフラーという選手の特徴を挙げるとき、一番に言われるのが変則スウィングだ。「インパクトからフォロースルーに向けて両足が左へ動きますよね」とタケ小山。だが「この変則は理にかなっている面もあります。彼はフェードヒッターですが、アップライトに上げてインサイドアウトの軌道を描く。この場合、左サイドの壁が堅固すぎると逆球のドローになることもある。左の壁をちょっと逃がすことでこれを防いでいます。グレッグ・ノーマンもこの摺り足打法でしたね」(小山)。

内藤雄士も技術面でのシェフラーの強さについて「逆球が出ないこと」を真っ先に挙げる。「あそこまでフェードがコントロールできれば、それは勝てるでしょう。今や、ドローヒッターだったマキロイやシャウフェレも今年はフェード球を主体にしています、もはやフェードはPGAツアーのトレンド」(内藤)。そのトレンドの火付け役がシェフラーなのではという見立てだ。

そして、シェフラーの強さを読み解くうえで、欠かせないのがパットだ。%%昨シーズン、平均パット数は38位に沈んでいるのに、今季は1位にまで上がっている。定評のあったショット力に加え「今年のアーノルド・パーマー招待でパットも覚醒しましたね」(佐渡)。

まず、春先、パターをブレード型からマレット型にチェンジ。ストロークの再現性が高まった。さらに、パッティングコーチがスタンスラインと肩のラインのズレに気づき指摘。すぐに修正すると、一気に調子が上向いたという。そのズレは、ミリ単位の次元の話。「しかし、スタンス時のミリ単位のズレが10メートル先では何センチかになってしまいますからね」(佐渡)。ミリの修整でセンチの違いを調整することに成功。ショットという武器にパットも武器として加わり、鬼に金棒。

ちなみにシェフラーは2020年に結婚しているが、妻のメレディスさんは高校の同級生で、先日、第一子となる男の子が誕生したばかり。ゴルフの技術が無双状態なうえ、プライベートも安定。公私ともに絶好調なのだ。

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識者4人それぞれの詳細な分析は2024年6月4日号の「週刊ゴルフダイジェスト」またはMyゴルフダイジェストに掲載中!

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[https://my-golfdigest.jp/tournament/p155364/]

※週刊ゴルフダイジェスト2024年6月4日号「S・シェフラー その強さの秘密」より一部抜粋

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