◆米大リーグ ドジャース5―1ブレーブス(5日・米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(29)が5日(日本時間6日)の本拠地・ブレーブス戦で移籍後初の1試合2発、4安打と大暴れした。元来スロースターターで6月に好調期を迎えるが、今季は5月上旬に早くも手が付けられない状態になっている。例年以上のスピードで無双モードに入った打撃を、中村晃大記者が「見た」。

 一体、どうなってしまうのだろう。大谷の打撃には恐怖すら感じる。本来、どちらかといえばスロースターターで、5月までは“助走期間”の印象が強い。満票MVPに輝いた年を振り返ると、46発の21年は6月に月別最多の13本塁打、23年の6月は月間打率3割9分4厘、ア・リーグ最多タイ記録の15本塁打を放った。

 今年は5月上旬に早くも無双状態。36試合目(1欠場)での到達は、日本人初の本塁打王に輝いた昨季の45試合目(2欠場)より早い。「振るべきボールを振れているというのがいいところかなと。あの(中堅から逆)方向に距離が出るのは状態がいい証拠」と本人も納得していた。

 昨年9月に受けた右肘手術の影響で打者専念となる今季。投手としての登板がない分、疲労が少ないことはもちろん、キャンプから注力した走塁練習で下半身が安定しているようにも感じる。対戦したブルージェイズ・菊池が予言した通り、「とんでもない数字が残る」と感じ始めている。

 最近10年間でナ・リーグ西地区を9度制しているドジャースと、同東地区を6連覇中のブレーブス。今季もともに首位を快走しており、プレーオフで対戦する可能性は十分だ。強豪対決で3連勝し、今季最多の貯金10。「鬼に金棒」ならぬ「ド軍に大谷」で、世界一に近い位置にいることを証明するカードにもなった。(中村 晃大)