◆JERAセ・リーグ 阪神0―2広島(7日・甲子園)

 阪神は3カードぶりに戻った本拠地で今季4度目の完封負けを喫した。7、8回に満塁の好機を迎えたが、あと一本が出ず、甲子園では広島に3連敗。8回は佐藤輝が見逃し三振に倒れたが、スポーツ報知評論家の金村義明氏は打率1割台に低迷する背番号8の復調気配を指摘した。

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 阪神は7、8回の好機を生かせなかった打線に尽きる。ヒット数(7安打)も広島(5安打)を上回っていたものの、ここぞで一打が出なかった。143試合を戦っていれば、こんな日もある。ただ光明を挙げれば、8回1死満塁で見逃し三振に倒れた佐藤輝の状態は上向きつつある。

 今季の佐藤輝は構えの段階で上体を揺らしてタイミングを取っており、下半身と連動しないまま右肩が開く悪癖が目立っていた。左手がバットから離れ、右手一本の弱いスイングになるのも、これが原因だ。だが、この日はピタっと構えで動きが止まり、軸足にしっかり体重が乗ることで鋭い振りが戻っていた。

 8回の打席も3ボール1ストライクからの5球目の直球を仕留め損なった(ファウル)が、スイングは悪くなかった。三振の場面も右手でヘルメットを触りながら半笑いを浮かべていたのは、しっかりとボールを見極められた自信があったからだろう。すぐに結果が出るかは分からないが、今の形に自信を持って継続していく根気が必要だ。

(スポーツ報知評論家)