日本相撲協会は10日、大相撲夏場所(12日初日、東京・両国国技館)の取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。新三役の小結・大の里(23)=二所ノ関=は、初日に結びで横綱・照ノ富士(32)=伊勢ケ浜=と対戦。いきなり注目の一番が組まれた。殊勲星で波に乗り、先場所で110年ぶり新入幕Vを決めた尊富士に続き“ちょんまげ旋風”の再現を狙う。十両以上で初日からの休場者は小結・朝乃山(30)=高砂=、幕内・尊富士(25)=伊勢ケ浜=の2人だった。

 大の里が初日から横綱・照ノ富士に挑戦する。審判部部長の高田川親方(元関脇・安芸乃島)は会議後、「大の里は前に出る相撲がいい」と期待。大の里は先月30日の新三役昇進会見で西小結は初日に横綱戦が多く組まれる可能性が高いことに「いろいろな方に言われるので(横綱と)対戦するんだと思っている」と想定していた。2日目は初顔合わせの元大関の高安(田子ノ浦)となり、「前半戦5日間が本当に勝負」と位置づけており、横綱撃破で好スタートを切りたい。

 照ノ富士とは1月の初場所で初対戦。新入幕力士では10年ぶりとなる横綱戦は上手投げで一蹴された。完敗に「びくともしなかった」と舌を巻いた。3月の春場所は、照ノ富士は途中休場し対戦はなかったが、貴景勝(27)=常盤山=から大関戦初勝利を挙げるなどし千秋楽まで優勝争いを演じた。大の里も「大関や三役に勝つことができて、自分なりに進化している」と手応えをつかんだ

 千葉・浦安での春巡業(4月18日)では、照ノ富士に指名され、ぶつかり稽古を行った。横綱から指名されるのは期待の表れでもあり、大の里は「胸を出して、指導していただいて感謝」。今月7日には佐渡ケ嶽部屋に出稽古し、過去2戦2敗の大関・琴桜(26)=佐渡ケ嶽=と相撲を取るなど上位撃破へ、積極性を見せている。

 初場所が11勝4敗。春場所も11勝4敗と2場所連続の2ケタ勝利を挙げ、敢闘賞に輝いた。小結で優勝すれば昭和以降は18年九州場所の貴景勝以来、史上10人目。新小結で賜杯を抱けば、1957年5月場所の安念山以来67年ぶりの快挙だ。

 昇進会見では「初場所と春場所を戦って優勝が夢から目標に変わった」と話していた。春場所は初土俵から10場所目で尊富士が大銀杏(おおいちょう)が結えないまま優勝。7場所目の大の里もちょんまげ頭で夏の土俵を盛り上げる。(山田 豊)