J1北海道コンサドーレ札幌MF荒野拓馬(31)が、体を張って難敵撃破に挑む。札幌は11日、アウェー・川崎戦に臨む。川崎とはJ2時代も含めると、リーグ戦では過去2勝6分け22敗。J1では2勝3分け13敗で、これまで3度しか対戦していない町田を除くと、現J1では最も苦手な相手となる。相性は悪いが、荒野は「今は何としても勝利が欲しいので」と最下位からの脱出へ、今季2勝目だけを狙っていく。

 会場の等々力には良い思い出もある。2020年11月3日、J2時代も含めるとリーグ通算24度目の対戦で初勝利を挙げた。その年、3度目の優勝を飾り天皇杯も制した相手に2―0と快勝した一戦で、荒野はフル出場して2点目を決めた。「あの時は『最強』と言われていたフロンターレに、いいゲームをして勝つことができたので。今回もこういう状況だからこそ、チームみんなで一つになって勝てるようにしたい」。主将として立つ初めての等々力のピッチで皆をけん引し、“再現”の原動力となる。

 ここまで警告が3度と、あと1回で出場停止となる。無駄なイエローカードは避けたい状況も、闘志あふれるプレースタイルは貫き通す。「そこは気にせず、目の前の試合に向かっていくしかない。びびらずにやりたいし、勝利につながるカードであるなら、いとわずに戦いたい」。身を削ることになろうとも、荒野が6試合ぶりの勝ち点3を取りにいく。

(砂田 秀人)