高校生ながらプロ契約を締結したJ2清水エスパルスのMF西原源樹(17)が13日、三保で会見しプロでの抱負を語った。クラブ最年少得点記録を更新した若手のホープは、将来の目標に「日本代表入り」を掲げた。また鹿児島市の「西原商会」とサポーティングパートナー契約を結んだことも併せて発表された。チームはこの日、三保で調整。故障していたFWカルリーニョスジュニオ(29)が合流し、後半戦の起爆剤になることを誓った。

 清水の“育成の星”が大きくはばたく。西原は6日に父、姉に付き添ってもらいC契約を締結。ユースの試合にも出場する可能性を残すため、登録は2種のままだが「プロ」として活動していくことが決まり「自覚を持って勝利に貢献したい」ときっぱり。抱負を問われると「まずはエスパルスをJ1に昇格させる。将来的にはA代表に選ばれる選手になりたい」と緊張した表情で宣言した。

 トップに帯同した今春キャンプ中の実戦で得点を重ね、開幕・熊本戦にベンチ入り。4月20日の仙台戦でクラブ最年少記録(17歳4か月4日)を更新する初ゴールを決めるなどここまで公式戦13試合2得点を挙げている。日本代表FW三笘薫を参考にしているドリブルには定評があり、反町康治GMも「シャイなところも似ているが、ピッチに出たらどう猛な姿勢で暴れてもらいたい」と期待を込めた。清水がユース在籍選手とプロ契約するのは12年のMF石毛秀樹(現J1・G大阪)以来となる。

 ピッチ外でも強力な援軍を得た。キャンプ地・鹿児島の業務用総合食品卸「西原商会」がサポーティングパートナーに名乗りを上げ、この日までに契約を締結。仙台戦のヒーローインタビュー直後に配信で同社CMが流れたことがきっかけで、「名前も同じで縁もあるのかなと思います。ありがたいです」と高校生では異例の“個人スポンサー”に感謝した。同社の西原一将社長は日本サッカー協会副会長を務め、社歌「世界、西原商会の世界!」はクレイジーケンバンドの横山剣が作曲したことでも知られる。

 16日の愛媛戦から始まる後半戦に向け「アシストやゴールを決めて勝っていきたい」と誓った17歳。この先も“イイ〜ネ”と言われる活躍を重ねていく。(武藤 瑞基)

 ◆西原 源樹(にしはら・もとき)2006年12月16日、群馬県生まれ。17歳。小学1年時にファナティコスでサッカーを始め、清水ジュニアユースを経て同ユースに昇格。22年にU―16、23年にU―17日本代表に選出。今年2月、清水で2種登録。180センチ、70キロ。家族は両親と兄、姉。

 〇・・・頼れる助っ人が間もなく戦列復帰する。5月26日の水戸戦を最後に故障離脱していた清水・カルリーニョスジュニオはこの日合流。サイドをドリブルで駆け上がるなど軽快な動きを披露し「順調に進んでいる。いい状態でチームに入っていきたい」とうなずいた。

 前半戦を首位で折り返したチームは16日に後半戦“開幕”の愛媛戦(ニンスタ)を迎える。秋葉忠宏監督(48)は試合復帰について「またけがをさせたくないし、リバウンドを見て慎重に判断したい」とコメント。本人も「週末までに(首脳陣と)話して決めていきたい」とした。

 この日、紅白戦形式のメニューでは引き続き3バックをテストし、カルリーニョスはシャドーでプレーした。ここまで左サイドや2トップの一角を主戦場としてきた背番号10は「どこで必要とされるか楽しみ」とニヤリ。いずれのポジションでも攻撃の起爆剤になるのは間違いない。勝負の後半戦へ、頼もしいピースが戻ってくる。(武藤 瑞基)