本誌『田舎暮らしの本』の大好評アンケート企画「2024年版 第12回 住みたい田舎ベストランキング」の中から、日本を12のエリアに分けた「12エリア別 住みたい田舎ベストランキング」の南九州・沖縄エリア(宮崎県、鹿児島県、沖縄県)のランキング順位をご紹介します。

2024年版 第12回 住みたい田舎ベストランキング
【12エリア別ランキング】
南九州・沖縄エリア(宮崎県、鹿児島県、沖縄県)のランキングを発表!

南九州・沖縄エリア「総合部門」「若者世代・単身者部門」順位

南九州・沖縄エリア「子育て世代部門」「シニア世代部門」順位

 南九州・沖縄エリアは、4部門ともに10位までの平均点が上昇しつつあり、移住支援がより充実しつつあると思われます。また突出した強い自治体がないのも特徴で、4部門の1位はそれぞれ異なる自治体となっています。ここでは、1位となった鹿児島県霧島市、鹿児島県肝付町、宮崎県都城市、鹿児島県薩摩川内市をご紹介します。

鹿児島県霧島市(きりしまし)
空港を擁し、温泉、歴史、国立公園などが揃う全国屈指の観光地

総合部門:1位
若者世代・単身者部門:9位
子育て世代部門:3位
シニア世代部門:4位

鹿児島県霧島市にある鹿児島空港と、近くに広がるヒマワリ畑
霧島市には鹿児島空港があり、近くにはヒマワリ畑が広がっています。鹿児島空港は乗降数の多い空港で、県外・離島・海外ともつながっています。

 鹿児島県本土の中央部に位置する霧島市。天孫降臨の地としての奥深い歴史情緒、日本初の国立公園を有する自然環境、豊富な湧出量を誇る温泉などがあり、全国屈指の観光地です。一方で、商業施設や工業団地を有する鹿児島県内第2の都市という側面も持ち、自然の豊かさと便利な都市機能を兼ね備えています。また鹿児島空港もあり、県外や離島へのアクセスも良好です。近年では子育て環境の充実から若年層の移住者が特に増加しています。

 市では移住者向けの支援として、オンライン移住相談会や空き家バンクによる住まいの紹介、住宅取得費用の一部助成などを用意しています。霧島の魅力を感じることができる移住体験ツアーも行われていて、移住者との交流や農作業体験、霧島山登山などが体験できます。また、半日〜1日程度でオーダーメイド型移住ツアーとして、個別の市内案内にも対応しています。

問い合わせ先:霧島市地域政策課 ☎0995-64-0952
鹿児島県霧島市|霧島市移住・定住情報 おじゃんせ霧島市 (city-kirishima.jp)

鹿児島県霧島市の暮らしが体験できるツアーの様子。内容が盛りだくさんだ
霧島暮らしを体験できるツアーは、内容が盛りだくさん。参加して霧島市の魅力に触れてみてはいかがでしょう。

鹿児島県肝付町(きもつきちょう)
美しい海とJAXA内之浦宇宙空間観測所がある「東洋のフロリダ」

総合部門:2位
若者世代・単身者部門:1位
子育て世代部門:2位
シニア世代部門:2位

鹿児島県肝付町の岸良海岸。ウミガメの自然産卵を見ることができる貴重な海岸
辺塚(へつか)海岸は、緑の森に覆われた岬に抱かれた白い砂浜と紺碧の海の入り江が幻想的な美しさ。ウミガメの自然産卵を見ることができる貴重な海岸でもあります。

 鹿児島県大隅半島に位置する肝付町は、美しい海岸線と白い砂浜、そしてJAXA内之浦宇宙空間観測所があることから「東洋のフロリダ」と称されています。温暖多雨な気候は豊かな作物を育み、伊勢海老の水揚げや黒牛の肥育も盛んです。町内には900m級の肝付山系が連なっていて、その山々が太平洋に落ち込むところには美しい3つの海岸が広がっています。美しい海に憧れた若い世代の移住者が近年急増しています。

 役場内に「移住サポートセンター」を設置し、実際の移住者が専任の移住コンシェルジュとして、懇切丁寧に対応しています。移住希望者と空き家のマッチング事業に注力していて、空き家物件に対し、取得費補助(最大60万円)、改修費補助(最大15万円)、家財処分費補助(最大10万円)の助成も。また町内には、お試し移住体験住宅や地域交流型ワーケーション施設もあります。

問い合わせ先:肝付町移住サポートセンター ☎0994-65-8426
肝付町に移住しませんか「移住サポートセンター」/肝付町 (kimotsuki-town.jp)

鹿児島県肝付町はカンパチの養殖が盛ん。10月の秋祭りでは子どもたちによる摑み取りが人気
肝付町はカンパチの養殖も盛ん。10月の秋祭りでは子どもたちによるカンパチの掴み取りが人気です。

宮崎県都城市(みやこのじょうし)
豊かな土壌と温暖な気候で、おいしいものが多い「食の都」

総合部門:6位
若者世代・単身者部門:2位
子育て世代部門:1位
シニア世代部門:3位

宮崎県都城市から見る霧島
都城市から見える霧島連山。霧島山一帯は日本ジオパークに認定され、都城市内各所のスポットで壮大な自然の営みを感じることができます。

宮崎県の南西部に位置する都城市は人口約16万人で、県内で宮崎市に次ぐ人口第2の都市です。雄大な霧島連山に囲まれた豊かな土壌と、年平均気温16.5℃と温暖な気候で、農林畜産業が盛ん。豊富な地下水を使った焼酎も有名です。商業施設や文化施設、救急医療体制などが整い、都市機能も充実。特に中心市街地中核施設「Mallmall(まるまる)」や民間複合施設「TERRASTA(テラスタ)」などを核とするエリアは賑わっています。

市では、「移住・定住サポートセンター」を設置し、移住や雇用の相談などにワンストップで対応しています。2023年4月から市独自で「移住応援給付金」を開始したほか、「住めば住むほど都城」キャンペーンなどを行い、移住相談の件数が急増。また、第1子・第2子も含む保育料、中学生以下の医療費、妊産婦の健康診査費用という3つの完全無料化を実施しています。

問い合わせ先:都城市移住・定住サポートセンター ☎︎0986-23-2542
住めば住むほど都城 | 都城市 移住・定住特設サイト (sumeba-sumuhodo-miyakonojo.jp)

宮崎県都城市の移住相談風景
都城市移住・定住サポートセンターでの移住相談の様子。PRやキャンペーン、手厚い給付金などで相談件数は増加しています。

鹿児島県薩摩川内市(さつませんだいし)
豊かな自然と歴史に恵まれ、新幹線の停車駅もあり便利

総合部門:3位
若者世代・単身者部門:6位
子育て世代部門:9位
シニア世代部門:1位

鹿児島県薩摩川内市の市街地。横断して流れるのが一級河川の川内川
薩摩川内市街地を一望した風景。市街地を横断して流れるのが1級河川の川内川(せんだいがわ)で、遠くから見てもその雄大な姿が美しい。

 都市部へのアクセスが良好な薩摩川内市は、鹿児島県内で一番広い市域を有しています。東シナ海に面した白砂青松の海岸線、市街地を流れる九州三大河川の一つ「川内川」、ラムサール条約湿地として登録されている「藺牟田池(いむたいけ)」をはじめとする緑豊かな山々や湖、地形の変化の美しい「甑島(こしきじま)」は国定公園に指定されています。また、市内各地には豊富な湯量の温泉が点在するなど多種多様な自然環境に恵まれています。ほかにも、ニニギノミコトの墳墓「可愛山陵(えのみささぎ)」、重要伝統的建造物群保存地区に登録されている「入来麓武家屋敷群(いりきふもとぶけやしきぐん)」など、旧所・名跡が点在する街でもあります。

 移住・定住、雇用のワンストップ窓口「定住支援センター」を市役所内に設置し、移住への道をサポートしています。定住のための住宅取得者には最大150万円の補助金のほか、リフォーム補助金、空き家バンク成約奨励金など、住居に関する制度も多数あります。また、市内で就労する方には最大300万円の奨学金返還支援制度やUIJターン者家賃等補助金など手厚くサポートしています。市内に住む方には、高校生まで医療費無償、また、妊産婦や出産後のケアにも力を入れています。移住体験ツアーも開催予定。移住体験住宅もあるので、現地見学などに活用してみてください。

お問い合わせ先:薩摩川内市産業人材確保・移住定住戦略室 ☎0996-23-5111
移住定住サイト/薩摩川内市 (satsumasendai.lg.jp)

鹿児島県薩摩川内市にある旧増田家住宅
「入来麓(いりきふもと)武家屋敷群」の住宅で、一般開放されている「旧増田家住宅」。国の重要文化財に指定されている茅葺き屋根の住宅です。