東芝は5月23日、同社の科学教育施設「東芝未来科学館」の一般公開を、6月29日をもって終了すると発表した。公開終了について「当社グループの事業ポートフォリオがBtoCからBtoBへ移行していることに伴い」としている。

 東芝未来科学館は、1961年に小向事業所内に開設した「東芝科学館」を前進とし、2014年に川崎本社(スマートコミュニティセンター)の開所にあわせて同センター内に移転。現名称に変更して運営してきた。1961年からの累計来館者数は2022年6月時点で1100万人におよぶという。

 同館では「先端科学技術・事業の情報発信」「産業遺産の保存・歴史の伝承」「科学技術教育・啓発活動の推進」を目的としていたが、B2CからB2Bへの事業ポートフォリオの移行にあたり、役割の見直すという。

 一般公開終了後、「先端科学技術・事業の情報発信」機能は、24年2月に開所した研究開発新棟「イノベーション・パレット」にて、「産業遺産の保存・歴史の伝承」機能は東芝未来科学館内にて、事業の顧客やパートナー向けに継続。「科学技術教育・啓発活動の推進」については、CSR活動として「川崎さいわい少年少女発明クラブ」を東芝未来科学館で継続するものの、館内イベント、サイエンスショー、オンラインイベントについては終了する。

 同館の公式Xアカウントは「『すごい!』と驚いたり『楽しい!』と喜んだり『まだ帰りたくない!』と言って頂けたことのどれもが、今でもそしてこれからも私たちの宝物です。この場をお借りし、改めて皆様に御礼申し上げます」と投稿。続けて「皆様が『残念』と思って頂けているように、私共現場の館員も皆様をお迎えできなくなると思うと、残念で悔しくてたまりません。ですが、6月29日まではご来館頂ける皆様へのおもてなしに尽力して参りたいと思います」としている。