レッドブルのセルジオ・ペレスとウイリアムズのローガン・サージェントは、現在のF1におけるペナルティポイントシステムの見直しを求めている。彼らは、現行のシステムは”冗談”のようなモノである、現状に沿っていないと考えているのだ。

 現在のF1では、レーススチュワードがインシデントに関する裁定を下し、競技上のペナルティ(タイム加算やドライブスルーペナルティなど)と共に、当該ドライバーに対してペナルティポイントを付与する。このペナルティポイントが12ヵ月の間に累積で12となると、そのドライバーは自動的に出場停止に。また、ペナルティポイントは付与から12ヵ月が経過すると、自動的に消滅することとなる。

 最近では、ハースのケビン・マグヌッセンが今季開幕から相次いでペナルティポイントを科され、僅か5戦でペナルティポイントの累積が10に。出場停止まであと2ポイントという、危機的状況に陥っている。

 ただ様々な種類のペナルティがポイント対象となることについて、ドライバーの間では懸念も高まっている。

 サージェントはF1中国GPの際に、セーフティカー走行中の手順に違反があったとして、ペナルティポイント2を科された。セーフティカー出動が宣言された時、サージェントはメインストレートを走っていた。しかしそのタイミングで、ハースのニコ・ヒュルケンベルグがピットアウト……ピットレーン出口で、両者が横並びになるような状況となり、結局サージェントが前に立った。

 しかしスチュワードは、ピットレーン出口の先にあるセーフティカーライン2の通過時点では、ヒュルケンベルグが前にいたと判断。そのためサージェントは、セーフティカー走行中に他車をオーバーテイクしたとの裁定が下されたのだ。

 ただこれは、外から見ても判断するのは非常に難しい状況。乗っているドライバーとしても、自分が前なのか、あるいは後ろなのかは、判断できなかっただろう。

「(中国での)僕の件は、非常にフラストレーションが溜まる状況だったと思う」

 そうサージェントは語った。

「ペナルティは別問題だ。でもペナルティポイントをもらうというのは、ちょっとした冗談のように感じたね。だって、その週末にはもっと酷いことも起きていたのに、それはただ叱責されるだけだったんだから」

「予選の時、僕の前でスピードを落とした人がいた。大クラッシュしそうだったけど、なんとか何事もなく済んだ。でも、僕が他の人と同時に(セーフティカー)ラインを越えて、それが見えなかっただけで2ポイントももらってしまう。あまり良い方向性ではないと思う」

 なお現時点ではマグヌッセンは多くのペナルティポイントを科されているが、それ以前にもっとも多くのペナルティポイントを手にしていたのはペレスだった。ペレスの現時点での累積ペナルティポイントは8。今年の9月にようやく1ポイントが消滅する予定だ。

 これについてペレスは、次のように語った。

「既にペナルティが科され、その代償をしっかりと払っていることもあると思う。そして、ペナルティポイントが加算される事例が増えていることを考えると、それは間違いなく見直すべきモノだ」

「あらゆるインシデントで、各ドライバーが手にしたポイントを見ていくと、おそらく過剰なモノもたくさんある。しかし、ルールが存在するのも事実だ」

「しかし将来的には、それが見直されることを願っている」