F1第7戦エミリア・ロマーニャGPのフリー走行3回目は、マクラーレンのオスカー・ピアストリがトップとなった。

 走行初日から好天に恵まれているイモラ・サーキット。土曜日のFP3は気温23度、路面温度44度というコンディションで行なわれた。

 金曜日の走行を受けて、各車がセットアップを変更して臨んでいるであろうFP3。普段は腰が重いレッドブルも、金曜日はバランスに苦しんだことから、セッション開始直後から早速ミディアムタイヤでコースインした。

 一方、金曜日の両セッションで好調だったフェラーリのシャルル・ルクレールや、カルロス・サインツJr.はソフトタイヤで走り始めた。またマクラーレンとアストンマーティンの4台は、ハードタイヤでコースインし、”皮むき”をしてピットに戻った。

 セッション開始から10分の時点で、トップはルクレールの1分16秒281。フェルスタッペンが0.190秒差で2番手に続いた。

 徐々にコースを走るマシンが増えてくるが、アストンマーティン勢が2セット目のハードタイヤを装着、ザウバー勢はソフトタイヤを履くなど、タイヤ選択はチームごとに分かれる形となった。

 そんな中、サインツJr.が1分16秒067までトップタイムを更新し、フェラーリがワンツーとなった。

 FP2で3番手と好調だったRBの角田裕毅は、セッション開始から20分以上が経過した後、一番最後にコースイン。ミディアムタイヤで走り始めたが、彼が最初のタイム計測を終える前に、セッションは赤旗中断となった。

 赤旗の原因はハードタイヤのフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がリヴァッツァのふたつ目(ターン18)でリヤのグリップを失い、クラッシュを喫してしまったためだ。左リヤからタイヤバリアに接触したアロンソのマシンは、サスペンションやリヤウイングが破損してしまった。

 セッション残り35分から、7分ほどの中断を経てセッション再開。このタイミングでタイヤを交換するマシンは無く、各車が1セット目のタイヤで走行を重ねた。

 角田は、この時間帯にミディアムタイヤで7番手タイムをマーク。ソフトタイヤのジョージ・ラッセル(メルセデス)の上につけた。

 残り時間18分を切り、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンがソフトタイヤでの予選シミュレーションを実施。6番手タイムを記録した。これに続くように、チームメイトのローガン・サージェントやザウバー勢、ランス・ストロール(アストンマーティン)が2セット目のタイヤに新品ソフトタイヤを投入し、予選アタックを実施してた。

 その他のチームは、残り時間が8分となる頃に続々とコースイン。まさに予選さながらのアタック合戦が開始された。

 ここでオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が1分15秒529をマークし首位に浮上した直後、セルジオ・ペレス(レッドブル)がクラッシュし、セッションがまたも赤旗中断となった。

 ヴァリアンテ・アルタのシケイン(ターン14)で縁石に乗りすぎたペレスはフロントウイングが破損した程度のダメージで済み、残り2分からセッション再開となった。

 各車が慌ただしくコースインし、タイヤを温めてアタックへ。しかし角田やフェルスタッペン含めた数台がギリギリ間に合わず、アタックできないままセッション終了となってしまった。

 結局、トップタイムを更新するドライバーは現れず、ピアストリがトップ。2番手にはラストアタックでタイムを更新した数少ないドライバーのひとりであるランド・ノリスが入り、マクラーレンがワンツーとなった。

 フェラーリ勢が3、4番手に続いたが、5番手フェルスタッペンやメルセデス勢など複数のマシンが、最後のアタックができなかったこともあって予選に向けた勢力図ははっきりしないままとなった。

 角田もミディアムタイヤで記録したタイムで13番手。ソフトタイヤでタイムを出したチームメイト、ダニエル・リカルドは11番手となった。