今週末のF1モナコGPでは、ガードレースに貼られた広告バナーが剥がれ落ちるという場面が何度も見られている。これにはマクラーレンのランド・ノリスも、受け入れられないと語った。

 バナーが剥がれるケースに関しては、例えばプールサイドシケインのように通過するマシンがバリアを擦ってしまうことで剥がれることもあるが、ミラボー(ヘアピンの先のターン7)にあるバナーに関しては、高速で走るマシンに吸い込まれるような形で剥がれているようだ。

 Q1終盤では、フェラーリのシャルル・ルクレールとカルロス・サインツJr.が走行したことで当該区間のバナーが剥がれ、ローガン・サージェント(ウイリアムズ)がその上を走っていった。その直後に通過したノリスも、落ちたバナーを拾う形になってしまった。

 ノリスはこのアクシデントにより、Q1残り2分半というタイミングで一旦ピットに戻らなければならなかった。再びコースインしてアタックすることができたものの、もしアタックが間に合っていなければQ1敗退になっていただけに、ノリスは苛立ちを隠していない。

「(バナーを)外すためにピットに入らなければいけなかった。これはF1ではあってはいけないことだ」

 ノリスはそう語る。

「ちょっと愚かなことだと僕は思う。僕は(ドライバーズブリーフィングで)こういうことになるって言っていたんだ。彼らは直すと言っていたけど、明らかに直っていなかった」

「ステッカー(バナー)の件に限らず、より良い策を考えないといけない。壁にぶつかっているのは僕たちだけど、週末をドブに捨てることになるのは受け入れられない」

 マクラーレンのチーム代表であるアンドレア・ステラも、ノリスの主張に同意しており、再発防止のためにレース前にアクションが起こされるべきだとした。

「Q1で起きたことは、起こってはならないことであり、レースサーキットの基準を満たしていない」

「我々はマシンのフロアに(バナーが)引っかかってしまい、1周あたり3秒に相当するダウンフォースを失ってしまった。フリー走行1回目からあったこのような問題でマシンが危険に晒されることはあってはならない」

「予選でいきなりバナーが外れるということはない。全てのセッションで起こっていることであり、解決する必要がある」

「今日に関しては、それがランドのパフォーマンスという観点でかなり壊滅的な影響を与えたと思う。ルクレールもそうかもしれない。他のドライバーだってそうだ」

「何が明日のレースの結果を左右するのか? バナーが取れるかどうかの運か? それともドライバーやマシン、チームのクオリティで決まるのか? 何か行動を起こす必要があるだろう」

 なおmotorsport.comの調べによると、FIAはQ1での一件を受け、Q2とQ3でこれ以上問題が起きないよう、剥がれかけていたバナーを取り除くようにマーシャルに指示したという。またFIAは決勝レースに向けても対策を講じており、「いくつかのエリアでのブランド表示を完全に削除することを決定した」としている。