『MLB.com』は現地26日、「フォローすべき『このペースで行くと』スゴいことになる7つのスタッツ」と題した記事を掲載し、今季このままのペースで行くと、物凄い記録を残すことになる選手7人をピックアップした。

記事では冒頭で「『このペースで行くと』と、『そこへ到達する』は同義ではない」とした上で、「長いMLBシーズンの序盤で抜け出したものは、大抵の場合、その後、落ちてくるものだ」「それは失敗が不可避のスポーツの本質である」と前置きした。

そして、「故に、我々がここまで序盤の段階で、『選手XはスタッツYを達成するペースにある』と言うようなことを論じる場合、我々は何も保障されていないことを前提にしている」「しばしば、と言うよりほぼ必ず、飛び抜けた者は再度集団に吸収される」とした。

昨季序盤からのペースを落とすことなく、40本塁打70盗塁を達成したロナルド・アクーニャJr.を引き合いに、現時点での数字から今季達成されるかもしれない驚異的なスタッツを論じる意味を強調。その上で、7つのスタッツを紹介しているのでが、そこに2人の日本人選手が選ばれている。

そのうちの1人は、このペースで行くと、シーズンを通して防御率0.84を達成することになるカブスの今永昇太だ。記事ではシカゴのルーキー左腕について、「イマナガはカブスで53イニングを投げ、わずか自責5で5勝無敗と、MLBキャリアにおいて切った支配的なスタートをエンジョイしてきた」とした。

そして、「彼の防御率0.84は、防御率が正式なスタッツとなった1913年以降、両リーグを通じ、投手がキャリア最初の9試合の先発登板でマークした史上最少の数字」であり、「イマナガはこのまま行くとMLB最初のシーズンで、歴史的なことを成し遂げるペースにある」とした。

さらに記事では、「イマナガの成功にとって、大きな鍵は速球であり、この球種は球速がわずか時速92マイル(148.1キロ)しかないにも関わらず、メジャーで最も価値のある投球となっている」と、左腕の武器について論じた。

その上で、「イマナガのように防御率をそのまま低く抑え続けるのは簡単ではないが、このルーキーは、たとえ防御率が少しばかり上がったとしても、2024年に歴史を作るチャンスを握っている」とした。

また、「規定投球回に達したシーズンで、最後に防御率1.50未満を記録した先発投手は1968年のボブ・ギブソン(1.12)であり」「現時点での成績からすると、イマナガはMLBでキャリアをスタートさせた選手としてはもちろんのこと、近年記憶に残る全先発投手の中で、最高のシーズンを達成するペースにある」としている。

さて、この7大スタッツに選ばれたもう1人の日本人選手はドジャースの大谷翔平。記事では「このペースで行くと打率.338で首位打者のタイトルを獲得する」大谷について、本塁打王のタイトルを保持し、複数回MVPを受賞した「オオタニにとって、特にクールなのは、彼が打率でメジャーリーグのトップに立っているところ」とした。

その上で、「オオタニがメジャーにおいて打率でトップに立っていると言う事実は、彼のベースラインが『世界最高の野球選手』でありながら、それでも彼には進化し続ける道があることの証左だ」と論じている。