与野党は国政復帰がささやかれるなど去就が注目されていた小池百合子都知事が、3選に向け立候補する意向を固めたことで選挙態勢の準備を本格化させる。「首都決戦」となる都知事選の結果は衆院解散が取り沙汰される中、政局にも直結する。次期衆院選をにらみ、自民党は今後、小池氏との協力関係を模索し、自民の派閥裏金事件で勢いづく立憲民主党などは対立候補の選定を加速化する。

 4月の衆院3補欠選挙で「全敗」し党勢低迷にあえぐ自民は独自候補擁立を見送る方向。都知事選でも敗北すれば岸田政権へのさらなる打撃は避けられないとして小池氏との連携を模索する。

 都連関係者は「連携の在り方は小池氏の意向次第」と指摘。自民の小渕優子選対委員長は訪問先の宮崎市で記者団に「現段階では正式表明ではない」と述べるにとどめた。公明党は小池氏と協力関係を維持したい考えだ。

 立憲民主党は共産党や市民団体と候補者の選定を進める。衆院東京15区補選では小池氏が支援した候補者が惨敗したものの立民幹部は「小池氏個人への人気はまだ相当ある」と警戒する。