厚生労働省は「IT・デジタル人材のITスキルレベル別・役職別の賃金相場」、「企業がIT・デジタル人材を採用・処遇する上で重視している事項」および「IT・デジタル人材の労働移動と賃金変化の実態」の3点を明らかにすることを目的として、労働者個人と企業双方に対するアンケート調査と、企業ヒアリングを実施した。前回は、「第一章IT・デジタル人材のITスキルレベル別・役職別の賃金相場」の内容を一部抜粋して紹介した。
今回は、「第三章 転職者の属性と転職による賃金変化の関係」の内容を一部抜粋して紹介する。

本ニュースのサマリー
  • 5年以内にIT・デジタル職種に転職した人の約56%が「賃金が上昇」
  • 現在IT・デジタル職種として働く転職経験者の割合は「男性」よりも「女性」の方が多い結果に
  • 5年以内にIT・デジタル職種に転職した人の賃金変化、年齢が若くなるほど賃金が上昇
  • 【転職経験】現職種の経験年数「0〜4年」の人の55%が「5年以内に転職経験」がある。現職種の勤務が長い程、減少する傾向に

5年以内にIT・デジタル職種に転職した人の約56%が「賃金が上昇」

5年以内にIT・デジタル職種に転職した人のうち、約56%の転職者が転職後に賃金が上昇していることがわかった。

画像:厚生労働省 令和6年3月調査より引用

現在IT・デジタル職種として働く転職経験者の割合は「男性」よりも「女性」の方が多い結果に

現在IT・デジタル職種として働く人のうち、転職経験者の割合は、「男性」(53%)よりも「女性」(58%)の方が多い結果に。また、5年以内の転職経験者の割合も、男性よりも女性の方が多いことがわかった。
5年以内にIT・デジタル職種に転職した人の転職による賃金変化を見ると、男性よりも女性の方が賃金上昇者の割合が多く、「男性」が54%にとどまるのに対して、「女性」は70%に達した。

画像:厚生労働省 令和6年3月調査より引用

5年以内にIT・デジタル職種に転職した人の賃金変化、年齢が若くなるほど賃金が上昇

現在IT・デジタル職種として働く人のうち、転職経験のある人の割合は、年齢が上がるにつれて増加する傾向にあり、「60歳代」が最も多く、「40歳代」がそれに次ぐ結果にとなった。5年以内にIT・デジタル職種に転職した人の転職による賃金変化を見ると、若くなるほど賃金上昇者が多くなるが、40〜54歳でも賃金上昇者の割合がほぼ60%と高い水準にある。

画像:厚生労働省 令和6年3月調査より引用

【転職経験】現職種の経験年数「0〜4年」の人の55%が「5年以内に転職経験」がある。現職種の勤務が長い程、減少する傾向に

現在IT・デジタル職種として働く人のうち、転職経験がある人は、現在の職種での経験年数が長くなるほど減少する傾向にある。また、5年以内に転職経験がある人は、経験年数が0〜4年で最も多く、55%となった。
5年以内にIT・デジタル職種に転職した人の転職による賃金変化を見ると、現在の職種での経験年数が長くなるほど賃金上昇者の割合は減少し、特に経験20年以降で賃金上昇者の割合は大きく減少している。

画像:厚生労働省 令和6年3月調査より引用