OpenAIの共同創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるサム・アルトマン氏はこのほど、ポッドキャスト「The Logan Bartlett Show」に出演しました(Redpoint Venturesのマネージングディレクターを務めるLogan Barlett氏による番組)。

この際にアルトマン氏は、2023年11月、自らの身に起きた激動の4日間を振り返り、その思いを語りました。

アルトマン氏はこの時、自らが立ち上げたOpenAIの取締役会から解任を宣告されたものの、その後まもなく同社に復帰しました。

同氏はさらに、ボリュームたっぷりのディナーが、この件について自分なりに折り合いをつけるのに役立ったというエピソードも明かしました。

アルトマン氏によれば、11月17日に解任された直後、「各国の大統領や首相」を含む世界の主要なリーダーから10通を超える励ましのテキストメッセージを受け取ったそうです。

ただしこの時は、自身の会社であるOpenAIを取り戻すことしか頭になく、自身のメッセージの受信箱が現実離れした状態になっていることについては、意識すら及ばなかったそうです。

OpenAIを離れた4日間で起きた自身への変化とは

一時的にOpenAIを離れた4日間の間、自身が「普通でない」状態に陥り、「アドレナリンがみなぎって」いたことをアルトマン氏は認めています。

実際、この間は睡眠や食事もほとんどとらなかったそうです。それでも、アドレナリンレベルが急上昇していたので、エネルギーが「みなぎっていて、明晰で集中していた」と振り返っています。

アルトマン氏は11月21日、サンクスギビングのわずか2日前というタイミングで、OpenAIに復帰を遂げました。

その次の日、アルトマン氏と当時のパートナーで現在の夫(同性婚)であるOliver Mulherin氏は、サンクスギビングの祝日に家族を訪ねるため、2人でサンフランシスコからナパバレーに車で向かいました。

そして、このドライブの途中で、カリフォルニアにある評判のダイナー「Gott's Roadside」に立ち寄ったのです。

「あちらに車で向かう途中に、自分がもう何日も食事をしていないことに気づきました」と、アルトマン氏は語ります。そして同氏は突然、1週間近く感じていなかった「空腹感」に襲われたといいます。

パートナーと共にテーブルについたアルトマン氏は、「揚げ物が入った、ボリュームたっぷりのオードブル」を4人前オーダーし、さらにミルクシェイクを2つ、自分用に注文したとのことです。

この時の食事は信じられないほど満足感があった、とアルトマン氏は振り返り、非常にストレスに満ちた1週間を経て、リラックスするのに役立ったと語りました。

この食事を味わっていた時、彼は「どこかの国の大統領」から再びOpenAIの経営陣に戻ったことを祝う内容の手紙をもらったそうです。

この時になってようやく、アルトマン氏も一歩引いて状況を見つめ、自分の人生がいかに現実離れしたものになってしまったかを悟ったといいます。

この経験から得た教訓について、アルトマン氏はこう分析しています。

ほぼあらゆるものを受け入れる人間の適応力は、私たちが思っているよりもはるかに強いと知りました。

良くも悪くも、人はあらゆることを「ニューノーマル」として、あっという間に受け入れることが可能です。

この新たな知見は、同氏が開発するAIが切り開く未来に人類が適応し、繁栄するだろうとの希望をアルトマン氏に与えたとのことです。

Source: YouTube

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