女性のがんでは最も多いとされる乳がん。他人事ではありませんよね。検診を受けているから大丈夫と思いがちですが、原作の藍原さんも毎年検診を受けていたにもかかわらず、30代後半、3歳の子どもの子育て真っ最中に乳がんを患いました。健康系の雑誌ライターとして知識も豊富だったものの、いざ自分が患ってみるとまったく違う世界が待っていて...。戸惑いと苦しみ、そして家族と共に元の生活を再生していく5年間の軌跡。『がんの記事を書いてきた私が乳がんに!?』(KADOKAWA)から厳選してエピソードをご紹介します。
※本記事は藍原 育子 (原作) 、内野 こめこ (著)の書籍『がんの記事を書いてきた私が乳がんに!?』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。

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【はじめに】

ライターとしてがんの検診や治療法についての記事を書いてきた私(原作者・藍原)は、2013年に乳がんの告知を受けました。
さまざまな医師や患者さんに取材をする中で、「もし自分ががんになったら?」と考えたことは何度もありましたが、「たとえそうなっても自分には知識があるから大丈夫だろう」と思っていました。
しかし実際に告知を受けると、その余裕もどこへやら。それまで目にとめることもなかったあやしい治療法や根拠のない情報に心が揺れました。
がんは「悪いところを切って終わり」という病気ではありません。手術という大きな山を越えた後にも、入院中に衰えた気力や体力、痛みを抱えながら、「治療」という新たな柱を抱えて生きていかねばなりません。
本書は、私のがん告知からの5年間を内野こめこさんに漫画にしていただきました。またコラム「心の専門家に聞いたがんとの向き合い方」では、私の体験を元に、がん患者と家族の心の治療を行う「精神腫瘍科」の第一人者である大西秀樹先生に話を聞きました。いま治療中の患者さんが、読んで少しでもラクになれるような考え方や、気持ちの整理の方法などを紹介しています。またがん患者さんのご家族や、身近な人ががんに直面している方にもぜひ知ってほしい情報をまとめています。
がんになったのは、あなたに落ち度があったからではありません。がんはある日突然あなたの人生に訪れる、嵐のようなものです。いま嵐の真っただ中にいる人が、少しでも穏やかな場所で心を休めることができますように。
心の専門家の温かいアドバイスを胸に、前を向いて歩いていけますように。