石川県の馳浩知事は8日の記者会見で、北陸新幹線の敦賀駅より西のルートについて「山陰新幹線につなげる意味は大きい」と持論を述べ、あくまで小浜ルートで進めるべきとの認識を示しました。

敦賀以西の延伸について、政府・与党のプロジェクトチームの計画では福井県小浜市付近を通って京都、そして京都府京田辺市を経由し新大阪を結ぶルートに決まっています。

しかし、沿線での騒音や振動、生態系への影響などを調査する環境アセスメントがまだ必要などの理由で工事は始まっておらず、早期の全線開業を果たすためにも滋賀県の米原に延伸する「米原ルート」を主張する声も上がっています。

MRO

国会議員時代に政府・与党合意にかかわってきた馳知事は「米原ルートを必要とされる方の主張を封じ込めるつもりはまったくありません」としつつ、持論を展開しました。
 



石川県・馳浩知事「私自身は山陰新幹線につなげる意味は大きいと思っています。今後、太平洋側で起きると想定されている大地震を考えると、日本海側の高速交通体系の国土軸があるべきだと今回の能登半島地震を踏まえて強く認識をした」

新幹線が京都北部、舞鶴を通るルートは、かつて「厳しい」と財務省や国土交通省に却下された経緯を振り返りながら、それでも馳知事は「考え直すべき」と述べました。

石川県内では、沿線の市長や県議らから米原ルートを推す声があがっていますが、敦賀以西の工事が始まらないなか、「小浜派」の知事とのさや当てが今後展開されることになるのかもしれません。

また馳知事は、ゴールデンウィーク期間中の敦賀と関西・中京方面を結ぶサンダーバードやしらさぎの利用が落ち込んだことについて、「乗り換えのハードルを今後いかにさらに工夫するかというのは、沿線の福井県やJRのみなさんとも知恵をしぼっていきたいと思います」と述べました。