今年最初の2歳新馬戦は京都。その一番最初のレースは芝1600mになるが、昨年の同じ番組は阪神芝1600m。出走頭数が5頭と少なかったが、今年はその倍近くの頭数は集まることになりそう。頭数がいるだけでなく、1週前追い切りの段階で素晴らしい動きを見せている馬も多く、レベルの高い一戦になるかも知れない。

 また、話題性という意味でもセレクトセールでの高額取引馬がいたり、下記で取り上げれなかったところでは、永島まなみ騎手が騎乗予定のマナミン(栗東・高橋康之厩舎)が出走を予定していたり、いろんな見どころがあるレースとなりそうだ。

【6月1日(土) 京都芝1600m】

◆ダノンフェアレディ(牝、父キズナ、母メチャコルタ、栗東・橋口慎介厩舎)

 2023年セレクトセール1歳にて、8000万円(税抜き)で落札されたキズナ産駒。半兄ダイヤモンドハンズ(父サトノダイヤモンド)は2022年の4回中京初日に芝1600mで新馬勝ち。その後は札幌2歳Sで3着という重賞実績も残している。

 本馬は3月29日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩して、ゲート試験合格まで済ませて退厩。牧場で調整を進めた後、5月2日に再入厩。その翌週に坂路で追い切って、4F52.6秒、2F24.9秒をマーク。5月15日のCWでは3頭併せの真ん中で手応えに余裕があって6F83.0秒と坂路でもトラックでも動けている。

 5月22日のCWでは最後の直線に向いて、なかなか手前を替えず、少し置かれるようなところを見せたが「かなり落ち着いて走っていたようで、その分、仕掛けてからの反応に時間がかかったようです。でも、ゴール前ではしっかり伸びていましたし、動きにも余裕がありました」と橋口慎介調教師。なお、鞍上は川田将雅騎手が予定されている。

◆ショウナンザナドゥ(牝、父キズナ、母ミスエーニョ、栗東・松下武士厩舎)

 2022年セレクトセール当歳にて、1億8500万円(税抜き)で落札されたキズナ産駒。半姉ミアネーロ(父ドゥラメンテ)は今年のフラワーCで重賞を制覇。同じく半姉のミファヴォリート(父キングカメハメハ)は先日、3勝クラスを勝ち上がり、ダートで4勝を挙げている。

 本馬は3月7日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。ゲート試験には少し時間を要したものの、合格した後に退厩。帰厩してからは坂路で追い切りをこなしていたが、1週前追い切りとなる5月22日はCWで池添謙一騎手が騎乗(レースでも騎乗予定)。3歳未勝利馬を追走したが、6F82.3秒、3F36.8秒と素晴らしい時計をマーク。「ジョッキーもすごく気に入ってくれたみたいです」と松下武士調教師。

◆マテンロウコマンド(牡、父ドレフォン、母ダイアナヘイロー、栗東・長谷川浩大厩舎)

 2022年セレクトセールにて、4100万円(税抜き)で落札されたドレフォン産駒。母は現役時代に北九州記念、阪急杯、阪神Cの重賞3勝を挙げたダイアナヘイロー(父キングヘイロー)。母は古馬になってから活躍したイメージだが、3歳1月の京都芝1600mで新馬戦を勝っている。

 本馬は4月26日にゲート試験を合格。その後も栗東に在厩して調整を進めており、Dコースのポリトラック馬場、芝馬場、CWなど様々なコースを使って、追い切りを消化。5月15日はCWでは3頭併せで少し反応の鈍い動きに見えたが、5月22日の坂路では一変。レースでも騎乗を予定している横山典弘騎手(レースでも騎乗予定)が跨り、4F51.9秒、2F24.7秒を楽々とマーク。すごく馬の多い時間帯で馬の間を縫ってくるような走りを見せており、気持ちの強さも感じられる走りだった。

【6月2日(日) 京都芝1400m】

◆ネティフラウ(牝、父ミッキーアイル、母ウィラビーオーサム、栗東・音無秀孝厩舎)

 半姉に芝で2勝を挙げているハッピーオーサム(父ディープインパクト)がいる。父ミッキーアイルはナムラクレア、メイケイエール、ウィリアムバローズといった数々の重賞勝ち馬を輩出しているが、現役時代に管理した音無秀孝厩舎からはまだ重賞勝ち馬は出ていない。

 本馬は4月12日にゲート試験を合格した後、一旦牧場に戻って調整。5月11日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩して、追い切りを進めている。5月16日に坂路で4F51.7秒をマークしたかと思えば、5月22日には坂路で4F51.0秒。4F目も12.9秒と13秒を切っており、追うごとに動きは良くなっている。

(取材・文:井内利彰)