バレーボールVリーグ1部男子の東レアローズが9日、静岡市役所の難波喬司市長(67)の元を訪れた。前日8日の県東部ホームタウンの三島市、沼津市、長泉町、清水町に続く訪問で、今シーズンを報告。レギュラーラウンド(RR)6位で5季ぶりにファイナルステージ(FS)に進出し、国内3大タイトル(天皇杯・リーグ・黒鷲旗)すべてで3位となったシーズンを振り返った。

◇  ◇  ◇

今シーズン限りで退任する篠田歩監督(44)は「タイトルを奪還できなかった悔しさ半面、結果を残してくれた選手たちが評価されてうれしい」と、穏やかな表情でメンバーをたたえた。

RRは、序盤4勝10敗とスタートダッシュに失敗。この苦戦を踏まえ、守備から攻撃重視に方針転換した。これが奏功し、12月の天皇杯後には「攻守がかみ合ってきた」と、RRで破竹の6連勝。この勢いに乗ってFS進出をたぐり寄せた。昨季まで2年連続でリーグ最終週でFS切符を逃してきた指揮官は「三度目の正直。プレッシャーを感じさせない選手たちに成長を感じた」とかみしめた。

日本一奪還を目指してきたチームは、10月から始まる新トップリーグ「SVリーグ」で新たな局面を迎える。日本代表コンビのMB高橋健太郎(29)とOH富田将馬(26=三島市出身)に加え、3季連続リーグ得点王のOPパダル・クリスティアン(27)らが移籍を理由に退団。新天地での挑戦を選んだ愛弟子たちに向け、篠田監督は「東レプライドを持って、どこに行っても頑張ってほしい」とエールを送った。

SVリーグスタートに伴い、チーム名も6月から「東レアローズ静岡」に変わる。主軸が抜ける一方で、5月の黒鷲旗全日本男女選抜大会で最優秀新人賞に輝いた大卒ルーキーOH山田大貴(22=清水桜が丘高出)や、ベスト6に選出されたMB西本圭吾(25)ら若い力も台頭。篠田監督は「次につなげることができた」とうなずき、「新生アローズ」の飛躍に期待を込めた。【山口昌久】